世界一のボルドーワインが、何故美味しくないのか—–以前から漠然と気になってはいました。
これほどはっきりとデータに示されると、あらためてやはり「美味しくはないのだ」と、納得してしまいます。
ボルドーワインには感動するとか、記憶に残るとか—–そんなワインが少ないのです。
ボルドーで唯一記憶に残ったワインには「シャトー・ラ・グランジュ・ドルレアン 2011」があります。
あの大人気のモンペラと同じ産地です。
ボルドーで初めて★★★★++を獲得し、しかも1008円とお手頃価格で、デイリーワインにお薦めしたものでした。
13本試飲した中で記憶に残ったのが、僅かこの1本だったとは—–世界一の名が廃るとはこのことでしょうか?
ちなみにスペインでは46本試飲した中で★★★★++以上がなんと24本もありました。
私の試飲したボルドーには、感動を呼ぶようなワインが少ない—–スペインでは名も無い僻地から、
感動するワインが次々と世界へ向けて出荷されていますが、ボルドーにはこの状況がみられないのです。
残念としか言いようがありません。
永い歴史の中で、世界に冠たる地位を築いたボルドーは、メドック地区の1級〜5級などの格付けに守られ、
ワイン愛好家にも愛され続け、高価な値段で取引されると、
どうしても素人にとっては「感動を忘れたワイン」になってしまうのでしょうか?
ボルドーワインの、もうひとつの弊害—–それがヴィンテージです。
なかでもグレートヴィンテージのワインは、世界の富豪が競って手に入れ倉庫で寝かす間に、
巨万の富に生まれ変わる—–魔法のヴィンテージなのです。
この魔法のヴィンテージが曲者で価格をつり上げて出まわら無くする—–
ボルドーを支えてきた、もうひとつの悪い要因になっていることに、お気付きだったでしょうか。
ボルドーが安閑としてはいられない要因には技術革新もあります。
「熟成期間を押さえて短期間に美味しいワインを造る」と言う、新しい技術が世界で取り入れられ急速に広がっています。
ボルドーもやっと重い腰を渋々あげたと聞きます。
しかしこれまでのボルドーの最大の武器は「長期熟成とグレイトヴィンテージ」—–
「寝かせるから美味しい」と言う武器をどうするのか?
現状に甘んじたままなのか!!
これまで、ボルドーが世界一に君臨し続ける事で、ワイン界が成り立っていたことも確かです。
時代は変わった—–
今こそ「感動するボルドーワイン」を、世界に配信して欲しいのです。
それがボルドーの蘇る道ではないでしょうか?
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