築35年の有名建築を耐震補強をしました!耐震補強をしっかりしましたので参考に!

Pocket


 





重い瓦を銅板に改修!下地の土は撤去!


築35年の有名建築を耐震補強をしました!参考にして下さい!

 

有名建築家が設計した数奇屋建築は耐震不足で昨年に耐震補強をしました!

この家の持ち主は長年の親友で、中学、高校、大学の同級生で運動部も野球部に柔道部と一緒で、

更に彼が会社を始めるにあたり、私も独立し—–売り出し商品の企画設計を全て作り上げ、

それが好評で会社は順調な船出になりました。と言う珍しい仲で切っても切れない仲間と言えます。

35年前に家を作る際に、有名建築家を私が紹介したのが、この家の始まりで既に35年経ちます。

親友とは彼の会社のプロジェクトの幾つかを設計した、繋がりがもあり、耐震補強を頼まれた次第です。

東日本大震災の時に、家が崩れ落ちるかの恐怖を感じ、奥様が耐震補強を提案し、ご主人が決断しました。

この家は有名建築家の代表作のひとつで、京都の名匠中村外二さんが手がけた有名建築です。

設計図を拝見しましたが、筋交いの耐震補強は、設計上はほぼ充分に入っていましたが、

改修工事の現場が始まり、筋交いのチェックをして驚いた!

なんと設計図に示すように、筋交いが入っていない!

当時の現場監理がズサンで工事の出来栄えばかりを気にしていて、肝心の筋交いのチェックが充分になされていませんでした。

現場監理をしていたFさんに喝!

有名建築家は既に他界していて、事務所は休眠状態で、Fさんは自分の事務所を持ち活躍中!

工事に当たった中村外二さんは数奇屋建築が得意で、筋交いではなく貫構造

(貫構造とは柔構造で筋交いの剛構造とは異なる構造方法)の習慣で、

更に新耐震になったばかりで筋交い構造に慣れていなかった為に、耐震不足になったと推測されます。

結局この筋交い不足の件は、その責任を誰にも、持って行けず、相談も出来ず仕舞いでした。

35年も経つとこのような事態が、日常におこり持主が、全て自費で賄うしかありませんでした。

前述したように、特に重要な1階部分の主要部には、筋交いが入っていませんでした。

これでは、あの程度の地震でも激しく揺れると思います。

1-2階の筋交い全部をチェックし、工事が可能な範囲で筋交いの入れ直し工事が始まりました。

下の写真が1階の主要部の筋交いの入れ直し、外壁を壊して筋交いを入れています。

このように新しい筋交で耐震補強!

工事会社は私の一番信頼している本田工務店。社長の本田さんは、名建築で有名な「石間工務店」で鍛えられた名匠。

本田さんは私の3つ年上で、信頼の厚い工務店を背負っています。

私の作品の多くは本田さんが手がけてくれていて、一番信頼している名匠です。

お互いに渓流釣りが大好きで、よくキャンプをしてイワナ釣りを楽しみ、お互いに気心が知れた仲です。

本田工務店が良い工務店の条件の一つに、下職の腕前が揃っていることです。

今時数奇屋建築が手がけるほどの、腕前の職人を揃えている工事屋さんはいません!

それだけ信頼の高い工事会社です。

それがあって「良い建築が請け負える」のだと確信しています。

今回の耐震工事は筋交いの入れ直しと、二階の屋根の重い瓦を銅板に葺き替えるのが、主たる耐震工事です。

二階の屋根瓦を剥がして驚きました!!

なんと瓦の下地に土壁に使う土が瓦の下地として、大量に盛られていました。これでは重いはずです!

下の写真が2階の瓦の下地に入っていた大量の土で、これを全て撤去しました。

瓦の下地に大量の土がありこの重みを減らすためにその土は撤去しました!

京都の名匠はこんなところにまで、入念な建築作りに手を尽くしていたのです。

この大量の土を降ろすだけでも随分と軽くなり、耐震に有利になります。

その上瓦が銅板になり軽くなるので、2階の重量が大幅に減量出来て、地震時の揺れが少なくなります。

銅板葺きの屋根で、2階の屋根の重量が大変軽くなりました。

今現在はこのような銅板葺で緑青を施しました!

家も築35年経ちますので、あちこちの修復の手直しがあって、大変な工事になりました。

筋交い回りと天井裏には出来る限り、金物で補強をしました。土台は一部が腐っていて、新しい土台に入れ替えました。

この家は数奇屋作りのため1階の床高を低く抑えていますので、どうしても土台が腐りやすい欠点があります。

更に床高が低いため、土台周りの金物補強も完全には出来ませんでしが、出来る限りの補強は尽くしました。

 

 

 

実績のある工務店だから補強は完璧!

数寄屋建築の耐震補強は難しい!実績のある工務店だから補強は完璧!

 

 

家は老夫婦が住んだままで、工事を行いましたので、奥様のストレスは限界に達し、家の中で転んで肩の骨を骨折し入院。

幸い大事には至らず、元気に退院でき、ホッとすることができました。

工事は数奇屋建築のため手間暇がかかり、約半年を要しました。

この間住み続けたお二人の気苦労は計り知れません。

お施主には、出来上がった工事の出来栄えを大変喜んでいただき、嬉しい限りです。

特に工務店の職人の腕前と気配りに、凄く気に入って頂き、次の工事の発注を頂きました。

特に数奇屋建築の改修が出来る業者は、限られた人にしか手を出せず、工事は自然と限定されます。

今回初めて数奇屋建築の改修現場を通じて、工事の細部にまで目を通す事ができたことは、私にとって大変有意義で、参考になる事ばかりでした。

工事を担当した本田工務店は、お施主さんに喜ばれるような、細部にまで心の行き届いた工事に、深く感謝いたします。

この家は今後大きな地震があっても、そう簡単には壊れない家だと、今回の工事を通じてその思いを強くしました!!

家の耐震に不安のある方は、参考にして下さい!

現場写真は本田工務店の現場監督の竹前さんが撮影したものです。

Pocket

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

私はかなり高齢な建築家です。出身は伊豆の湯ヶ島で多くの自然に触れて育ちました。少年時代の思い出も記事になっています。趣味が多くカテゴリーは多義に渡ります。今は鮎の友釣りにハマっています。自然が好きで自然の中に居るのが、見るのが好きです。ですので樹木は特に好きで、樹木の話が多く出てきます。 電子書籍作りも勉強して、何とか発売できるまでになりました。残り少ない人生をどう生きるかが、大事です。