黒はんぺん!「はんぺんは白ではなく、灰色に近い黒」が静岡県中部で常識だ!サバやイワシが水揚げされる焼津市が製造の中心地!
黒はんぺん!「はんぺんは白ではなく、灰色に近い黒」が静岡県中部で常識だ!サバやイワシが水揚げされる焼津市が製造の中心地!
「はんぺんは白ではなく、灰色に近い黒」が静岡県中部では常識だ。
サバやイワシが水揚げされる焼津市が製造の中心地。
すりつぶした青魚の旨味が詰まり、生で食べてもフライにしてもいい。
青魚のうまみたっぷり!
黒はんぺんを味わうため、焼津さかなセンターに向かった。
1階200席の「さかな大衆食堂渚」で黒はんぺんフライ(450円)と焼津おでん(500円)を頼んだ。
黒はんぺんは半月型、厚さが1cmほど。フライの衣との相性が良く、青魚の旨味を感じる。
おでんは黒はんぺんのほか、ナルト、ダイコン、こんにゃく、卵とのセットだ。
「かつお節や青のりが混じった粉をかけ、
味噌をつけて食べるのが焼津風」(前川純也同センター課長)という。
スパーをのぞくと、練り製品売り場には黒はんぺんが並ぶ。
13店を展開する地元の有力店・田子重は、
袋入りの黒はんぺんを主に市内3業者から仕入れ、年間約50万袋を売り上げている。
「そのうち半数以上は山下商店の商品です。
1袋に黒はんぺんが8枚入り、価格は税込でも100円弱。
あぶってしょうが醤油で食べると旨い」
と担当マネージャーの望月一穂さん話した。
焼津の半片が黒いのは主原料がサバだから。
焼津蒲鉾商工業協同組合の押尾康子課長によると、昔は約30軒の加工業者がいた。
サバをミンチ上にし、石臼で練って作る。
地元では「はんべ」と呼ぶ。
ふわふわした白いはんぺん(白身魚が原料)を目にすることはなかった。
山下商店には1日3万~5万の黒はんぺんを作る。
原料の8割がサバで、イワシや味も使う。
代表の山下善実さんは
「製品に『黒はんぺん』という名をつけたのは父親です」と1960年代の逸話を教えてくれた。
店頭には焼津はんぺんと一緒に、関東の白はんぺんが並び始めたころだ。
「はんぺんが2つもあるのはどうか。
白と区別するため、焼津は黒はんぺんと名付けよう」と叫びかけたのが始まりという。
父親の實さんは県西部の出身で、結婚で焼津にきた。
「外からの目」が思い切った提案につながったのかもしれない。
現在、黒はんぺんメーカーは市内に5軒ある。
その一つ、丸又はイワシ種原料に、2008年から保存料や化学調味料を使わない「いわしはんぺん」を出した。
社長の鈴木理恵子さんは「母親の介護をしながら食の大事さを感じた。
父を継いで社長になるなら、女性の
視点を生かしたいと思い、無添加にこだわった」と振り返る。
無添加の流れは老舗の蒲鉾メーカーにも。
1863年(文久3年)創業の足平は「蒲鉾屋が作る黒はんぺん」として、
イワシを主原料にやや値の張る「鰯はんべ」を販売している。
昨年6月から化学調味料の使用をやめた。
「本物の味を知ってもらいたいから」と9代目の松本大社長は語る。
さばやイワシが上がる小川港には小川港魚河岸食堂がある。
少し朝早い時間に「焼津フライ定食」(900円)を注文した。
さば、
マグロホホ肉、
黒はんぺんなどのフライの盛り合わせだ。
「やはり黒はんぺんにはフライが似合う」と好みを再認識した。
(ライター 須貝 道雄)

黒はんぺん(くろはんぺん)とは、静岡県地方の郷土食である魚肉練り製品。
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黒はんぺん(くろはんぺん)とは、静岡県地方の郷土食である魚肉練り製品。
[概要]
静岡で「はんぺん」と言えば通常これを指し]、静岡県民が他地方で「白いはんぺん」を見ると驚くこともある。
逆に静岡県内では他地方のはんぺんを特に「白はんぺん」として、本品と区別する[2]こともある。
静岡県内ほぼ全域で販売・消費されているが、
特に焼津市をはじめ、静岡市清水区や沼津市など大漁港周辺の名物とされる。
静岡郷土料理の材料であり、静岡おでんの具材の一つとしても有名である。
また、遠州地区、特に浜名湖周辺では黒はんぺんではなく白いはんぺんが生産されており、
正確には白はんぺん文化圏[要出典]である。
現在は静岡地方以外であまり知られていないが、
2007年から大手練り製品製造メーカーの紀文が京浜地方で黒はんぺんの販売を行っている。
また、地域特産品として黒はんぺんバーガーなどの商品化も行われている[4]。
[作り方]
鯖や鰺、鰯など、新鮮な多獲性の青魚を主原料にする。
魚肉に塩、砂糖、澱粉などを混ぜて潰してすり身にし、熱湯で茹であげる。水晒しは普通行わない。
円型の器具を使い1枚ずつ手作業で成形していたことからD型の特徴的な形となった。
「白はんぺん」のふわふわした柔らかい感触より、
かまぼこや薩摩揚げに近い引き締まった食感があり、
また原料を骨ごと用いるため、舌に骨粉があたるざらざらした独特の口あたりがある。
うま味成分を逃さないので、原料の魚本来の風味が強い[要追加記述]。
特に、サバを原料とした黒はんぺんは、他の魚肉練り製品にはみられない独特の風味がある。
血色素を含むため、加熱後の製品色は灰白色に仕上がる。
青魚のつみれとほぼ同じ材料・製法で作られているため、形状が異なる点を除けば固く締まったつみれと似たような味わいとなっている。
[料理法]
様々な食べ方が見受けられる。
- そのままで、あるいは生の本品にわさび醤油・柚子胡椒・マヨネーズやマヨネーズ醤油をつけて食す。
- 焼醤油とみりんで甘辛く煮付ける。
- フライパンでバター焼きにして、醤油をかけて食べる。
- 炙るか、蒸して生姜醤油を付けて食す。
- 揚げる。から揚げ・磯部揚げ・チーズはさみ揚げやパン粉を衣にしたフライ等。
- おでん種にする。
- 焼津駅構内にあるベーカリーキヨスク焼津では、黒はんぺんを用いたハンバーガーが販売されている。
[出典・脚注]
- ^ 黒はんぺんの歴史 志太広域事務組合 (PDF)
- ^ 焼津市ホームページ
- ^ 「黒はんぺんフライ」を新発売 紀文食品
- ^ 斗鬼正一 、異文化食と日本人のアイデンティティー 江戸川大学紀要 2017年 27巻
- ^ 竹下温子、鈴木青葉、斎藤梢 、静岡県の郷土料理「黒はんぺん」と特産品「緑茶」を用いた中学校家庭科教材への試み 日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成30年度大会(一社)日本調理科学会 セッションID:1A-4, doi:10.11402/ajscs.30.0_4
[外部リンク]
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