驚異の美しい氷!シベリア南部のバイカル湖!世界で最も古く、最も深く、水量は世界中の淡水の約5分の一を占める!
驚異の美しい氷!シベリア南部のバイカル湖!世界で最も古く、最も深く、水量は世界中の淡水の約5分の一を占める!
シベリア南部にある三日月型のバイカル湖。
面積は琵琶湖の46倍近い約3万1490平方キロ、世界で最も古く、
最も深く(最深部は1620m)、
水量は世界中の淡水の約5分の一を占める。
まさに自然の驚異だ世界最高の透明度を誇る湖水は不純物が少なく、
凍結すると青く透きとおる。

氷に閉じ込められた空気のかたまり!
11月から3月の間、湖面は厚い氷に覆われ、
厚く張った氷の表面が割れると、
写真のように氷が突き立つ。
<行き方>成田空港ーイルクーツク国際空港(ウラジオストック経由、役17時間)ー車で約1時間
NATIONAL GEOGRAPHIC より。

──全面凍結の湖の見所を教えてください!
──全面凍結の湖の見所を教えてください!!
[──バイカル湖はどんな世界遺産ですか?]
石渡ディレクター(以下、石渡)
:ロシア東部シベリアの南方にある、
約3000万年前に地殻変動によって生まれた世界最古の湖です。
また断層の亀裂にあるため世界一深く、
さらに世界一透明度が高い湖でもあります。
番組として4回目、私自身も2度目の取材となります。
[──今回はどんなバイカル湖を見ることができるのでしょうか?]
石渡:冬のバイカル湖の全面凍結です。

世界一透明な湖が全面血受けつで見せる氷の絶景!
バイカル湖の面積は琵琶湖の47倍もありますが、
その湖面すべてが2月ごろから3ヶ月間、凍りつくのです。
氷点下45度にもなるシベリアだから生み出される絶景と言えます。
[──そんな大きな湖がすべて凍ってしまうなんて驚きです。
どれぐらいの厚さの氷が張るのでしょうか?]
石渡:厚さはその年の気候や場所にもよりますが、
およそ1m、
分厚いところでは1.5mにもなるということです。
[──広大な氷の湖面をどのようにして移動するのでしょうか?]
石渡:今回の取材ではホバークラフトで移動しました。
以前の取材では、自動車だったのでデコボコとした
氷の上は走りにくかったのですが、
ホバークラフトはどんな場所でもスムーズに移動できました。

ホバークラフトはどんな場所でもスムーズに移動できました!
[──全面凍結の湖の見所を教えてください。]
石渡:まず、なんと言っても美しい透明な氷を見ていただきたいです。
例年は凍った湖面に積もった雪を強い風が吹き飛ばし、氷が剥き出しになります。
ところが今年は雪が多かったため、氷が剥き出しになった
場所がなかなか見つけられませんでした。
でも、ホバークラフトであちこちを探し回ったかいあって、
見事な氷の映像を撮ることができました。
[──実際の湖面の氷はどんな様子なのでしょうか?]
石渡:分厚い氷に大きなひびが入るのですが、それによって厚さが実感できます。

氷の収縮と膨張によってできる亀裂、湖面の上に白い筋になって現れます!これは日本では「御神渡り(おみわたり)」と呼ばれている現象!
バイカル湖は最も深いところで水深1600m以上あるのです。
現地で透明な氷の上に立って、この足の下に
何百mも深さがあると考えると少し恐ろしく感じました。
あと、氷の中に閉じ込められた空気の丸いかたまりや、
渦を巻くような模様にひび割れた氷など、
さまざまなここでしか見られない不思議な映像を撮ってきました。
[──単なる透明な氷だけでなく、いろいろな形や表情があるのですね。]
石渡:ほかにも湖面の氷がせり上がった亀裂が見られました。
これは日本では「御神渡り(おみわたり)」と呼ばれている現象で、
気温の変化で氷が膨張と収縮を繰り返すと、このような亀裂ができます。
何キロにもわたって氷の亀裂が盛り上がって
白い筋になっている様子をドローンによる空撮で捉えてきました。
また湖の上では、この亀裂でメキメキと音を立てながら
氷にひびが入っていく様子もカメラに収めてきましたのでご覧ください。

澄んだ氷の上に立つと、水の深みが暗くなっている様子が見えて、少し怖さを感じる!
──世界一透明度が高いというお話がありました。分厚い氷も奥まで見通せて非常に美しいのですが、どうしてバイカル湖の水はそんなに澄んでいるのでしょうか?!!
[──氷の世界というと静かなイメージがあるので、
音が聞こえてくるのは面白いですね。]
石渡:取材中にドーンという音も聞こえてきました。
おそらく大きな氷が割れた音だと思います。
バイカル湖のダイナミックさが感じられましたね。
[──世界一透明度が高いというお話がありました。
分厚い氷も奥まで見通せて非常に美しいのですが、
どうしてバイカル湖の水はそんなに澄んでいるのでしょうか?]
石渡:その秘密はバイカル湖の湖底にあります。
湖の底の岩に群生している「カイメン」です。
[──カイメンというと、スポンジに使われている、あの海綿ですか?]
石渡:はい、カイメンは海藻のように見えますが、
原始的な動物で、汚れた水を浄化する作用を持っているのです。
番組では、現地の専門家に協力してもらい、氷の下に潜って水中撮影をしました。
カイメンがどのように水をきれいにするのかも紹介します。
[──凍り付いた湖の下で、そんな生物が水を浄化してくれているとは驚きです。]
石渡:さまざまな珍しい生物が生息していることは、
バイカル湖が世界遺産に登録された理由の1つです。
番組では、ほかにも固有種のバイカルアザラシを紹介します。
世界で唯一の淡水で暮らすアザラシです。
[──海にいるアザラシが、どうしてこの湖にはいるのでしょうか?]
石渡:40万年前、今よりも海面が高く、
バイカル湖と海の距離がいまより短かったのです。
そのため、北極海にいたアザラシが川を伝って
バイカル湖にたどり着き、暮らすようになったのです。
バイカルアザラシはとても警戒心が強い動物で、水音などの
ちょっとした刺激でも敏感に反応して、水中に姿を隠してしまいます。
番組では、冬に子育てをするバイカルアザラシの
赤ちゃんが氷の上に現れた映像もお届けします。

氷の上に姿を見せたバイカルアザラシの赤ちゃん!
[──貴重な映像が盛り沢山ですね。
最後に視聴者にメッセージをお願いします。]
石渡:バイカル湖は夏も素晴らしいのですが、
冬のほうがよりすごい景色を見ることができます。
今回はドローンを使った空撮による
全面凍結のダイナミックな景色や、
氷が作った見事な自然の造形の
映像をふんだんに盛り込んでいます。
番組が放送されるころ、
日本はかなり暑くなってきているかと思いますので、
見渡す限り氷だらけの映像を
ご覧になって涼を感じていただけたらと思います。
TBS 世界遺産 特集 より。
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