触覚から広がる世界!日本の文化は、肌で感じるを大切にしてきた!
触覚から広がる世界!日本の文化は、肌で感じるを大切にして、五感で世界と繋がる!触覚の不思議な力と楽しさを見つめたい! !
私たちは五感で世界とつながっている。
目が色を確かめ、耳で音を聞く。
鼻の奥で香りを感じ、舌の上で滋味を愛でる。
もう一つ、触覚を忘れてはいけない。
日本の文化は、肌で感じることを大切にしてきた。
その感性はものつくりや日本語の語彙にも現れている。
触ることがはばかれる今だからこそ、
触覚の不思議な力と楽しさを見つめ直してみたい。

触れること!用の美をうむ!手になじみ、口に触れる感覚が素晴らしい!
触れること!用の美をうむ!手になじみ、口に触れる感覚が素晴らしい!
江戸時代から続く漆器産地の福島県会津若松市で誕生した「めぐる」は、ことのほか触り心地がよい。
手にしっくり収まる形は安心感があり、唇に触れると漆器の向こうから木地の温かさが伝わる。
この肌触りとフォルムは、視覚障害の人たちの手と頬と唇の感触が生み出した。
目の先入観にとらわれず、肌感覚を頼りに完成した「用の美」は見た目も、美しい。
10年ほど前のことだ。
移住した会津の伝統工芸にひかれて起業した貝沼航さんは、「会津塗りの最大の特徴は触り心地の良さ。
それをなんとか消費者に伝えられないか」とオリジナル商品の開発を考えていた。
そんなころ、視覚障害者の案内で暗闇を体験するダイアログ・インザ・ダークに出会う。
東京にあるこの施設でアテンド=案内役 を務める視覚障害の人たちは研ぎ澄まされた感覚の持ち主である。
それを知り、3人の女性アテンダントに会津に足を運んでもらい、アドバイスを求めた。
「栃の木の目があまりにも気持ち良くて、思わず頬ずりをしてしまいました」。
開発に参加した川端美樹さんは初めて触れた感触を今も鮮明に覚えている。
大学で声楽を専攻した耳は、器を重ねる音が心地よいことを聞き取った。
「会津の郷土料理を入れたら、おいしいだろうな」と香りまで感じたという。
貝沼さんは「文字通り全身で器を受け止めていた」と振り返る。
「めぐる」には「水平」「日月」の2シリーズがある。
「水平」は器の下部に入る水平のエッジが洗練された印象を与えるが、見た目だけが理由ではない。
「目が見えないと、器が傾いて水が溢れるんじゃないかといつも不安なんです」と川端さん。
目安の水平線があれば指で触り確認できる。

目安の水平線があれば指で触り確認できる!
この指摘には熟練の漆器職人も驚いたが、「ラインがあるなしで安心感が全然違う」と説いた。
「日月」では、両掌にすっぽり収まるように胴の膨らみを何度も削りなおし、重心も低くした。
唇に当たる器の縁は食べ物や汁物の味に微妙な影響を与えるので、カーブや厚さも微妙に調整した。
ざらつきを抑えるため、漆の目の細かさまで気を配った。
「めぐる」は発売から5年になる。
年間300セットの販売限定だが、「手になじみ、口に触れる感覚が素晴らしい」
50代の女性購入者 など、障害の有無にかかわらず愛用者が広がる。
映像では高精細な「8K」が登場し、音の世界では高音質な「ハイレゾリューション=ハイレゾ」の
音源が気楽に利用できる今の時代は、視覚や聴覚への刺激が優先され、触覚はどこか取り残された存在だった。
五感の中でも最も「確かさ」が得やすいと言われるのが触覚。
触れ合う事は、つながりを確認する意味もある。
広告会社勤務の高橋鴻介さんと手話通訳の和田夏実さんは、武蔵大学に通う生まれつきの
盲ろう者の田畑快仁=はやと さんの協力を得ながら触って楽しむゲームを2つ考案した。
目も耳もふじゆうな田畑さんは、手話の手の形を触る「触手話」で理解し合う。
「言葉や文字では分かり合えなくても、触覚なら壁を乗り越えられる。
それがゲームなら、楽しみながらつながれる」と高橋さんらは考えた。
触覚ゲームの一つ「LINKAGE」はこんな遊び方をする。
順番にカードをめくり、指示された自分の指と相手の指で長さ20cmほどの木の棒を支えてゆく。
3人のゲームに加えてもらった。
お互いをつなぐのはたった1本の棒でも、
指先に伝わる微妙な振動や圧力から相手の気持ちが伝わってくる。
本数が増えるとバランスが難しくなり、最後は「あっ」「あーあ」。
バラバラと崩壊した後に残ったのは共に支え合った連帯感。
言葉を超えるコミュニケーションの可能性を感じた。
もう一つのゲーム「たっちまっち」は触覚で感じるトランプだ。
透明の盛り上がるインクで同心円や格子、波模様などが印刷されている。
模様は7種類で、同じ模様は2枚だけ。指先の感覚を頼りに、神経衰弱やババ抜きのように遊ぶ。
「たっちまっち」は小学館の幼児向け雑誌の付録として書店に並び、

「たっちまっち」は触るトランプ!
KINKAGEは10月からインターネット経由などで販売が始まった。
日本の文化は古くから、触ることを大切にしてきた。
茶道の茶わんは手に取ったときの手触り、重さや口当たりでも愛でる。
和室の畳表の感触は素足や手で感じた。
その繊細な感性は日本の語彙にも表れる。
すべすべ、ざらざら、ぬるっ――-。日本語は他の言語に比べ、
皮膚感覚に由来するオノマトペ=擬態語や擬音語 が豊かだ。
明治大学の小野正弘教授=国語学 によると「感触を大切にする日本人の感性と、
それを言葉として受け入れる日本語の特色が相まって、豊かな表現を生んできた」。
小野教授は今、「ぴっと」という新しい擬態語に注目しているという。
人や動物が寄り添う様を表すが、「『ぺたっ』や『ぎゅー』より密着の度合いが少ない。
本当はもっと触りたいけど、今はほんの少しだけといったニュアンス」。
少女漫画などから広がり、用例が増えている。
触るに触れないニューノーマルはまた、日本語の表現に新たな豊かさを加えるかもしれない。

覚えた感覚!ロボット進化!彼らはまだ「触覚」を持っていない!
覚えた感覚!ロボット進化!彼らはまだ「触覚」を持っていない!!
人間の感覚を5つに分類したギリシャ哲学者、アリストテレスは触覚を語幹の中でも特別ととらへ、
「感覚の第一のものとして全ての動物にそなわる」(「心とは何か」)と書き残した。
でも、私たちの身の回りで活躍するロボットはどうだろう。掃除をこなし、重量物を運び、機械まで組み立てる。
力持ちで小回りの利く頼もしい存在だが、彼らはまだ「触覚」を持っていない。
慶應義塾大学初のベンチャー企業、モーションリブ=溝口貴弘社長 が
「手加減するシステム」を開発していると聞き、川崎市にある研究施設を訪ねた。
実験装置が並ぶ一角に親指と人差し指で操作するハンドルのような装置がある。
少し離れた2本の人工の指とケーブルでつながり、手元のハンドルの開け閉めの動きが人工の指に伝わる仕組みになっている。
「では触覚をオンにしましょう」と、最高執行責任者=COO の緒方仁是さんがスイッチを入れた。
人工指に薄いポテトチップをつかませ、ハンドルにゆっくり力を加える。
ポテトチップスがわずかに曲がり、抵抗する力がこっちに伝わってくる。
どこまで耐えられるだろうか。
じわっと力を強めた瞬間、チップスがパリンと割れ、指ががくんと軽くなった。
物に力を加えれば、必ず反作用がある。
この装置は人工指が感じた反作用などデータとして測定し、送り出す仕組みになっている。
反作用は瞬時にリアルに再現される。
これが触覚の正体だ。
データ化した触覚は何度も再現でき、遠隔地への転送も可能。
では触覚がなければどうなるのか。
「反作用を感知できないので、力を加減することができない。

反作用を感知できないので、力を加減することができない!
卵や果実など柔らかいものは握り潰してしまうことがある」緒方さん。
同社はPCRの検体を遠隔操作で採取する装置を開発した。
患者との対面を避けつつ、鼻腔の奥にそっと差し込む繊細な手の動きを可能にした。
慶応大、オーダー万年筆の中屋万年筆=東京・台東 とは、書き心地をデータ化する研究を始めた。
「人によって違う筆圧や筆運びの癖を保存し再現できれば、ペン先の微妙な調整などに役立てられる。
将来は著名な小説家の筆運びを追体験するといったことも夢ではなくなる」
と中屋の中田俊也社長。触覚の出番は広い。
ロボット開発の最前線では今、五感を備えた分身=アバーター のようなロボットの開発が進んでいる。
ここでも最大の難関は触覚だ。触覚は光の波長、聴覚は音の振動で
分析できるのに対し、受容器が複雑な触覚は測定そのものが難しい。
五感の中でも取り残されていたのが、「ここ20年ほどで人間の触覚の生理学的な研究が進んだ。
その知見がロボット開発に反映されてきた」と東京大学の舘暲名誉教授=システム光学 は指摘する。
人並みの触覚を備えたロボットの誕生はそう遠くないかもしれない。
触れるロボットの開発が進む一方、触られるためのロボットも登場した。
GROOVE X 東京・中央の「LOVOT=ラボット 」は愛くるしい表情とAI装置の
賢さで話題を集めるが、「究極の癒しとは何か、を徹底的に考え、
その一つとして『手触り』にこだわった」と林要社長は明かす。
LAVOT=ラボット の脇のあたりに手を入れると温かさが伝わり、赤ちゃんを抱いているような心地よさを感じる。
体温は38度前後。コンピューターを冷やす空気を内部で循環させ、制御している。
手や胴に触ると、柔らかい皮下脂肪の向こうに骨のように堅いものが感じられる。
表面と内部の素材を工夫し「ペットの猫のような感触を出した」。
林社長は企業の前、ソフトバンクグループの人型ロボット「ペッパー」の開発に携わった経験がある。
「高齢者施設を訪ねたときのことです。
『この子がかわいいいけど、手が暖かいともっといいのに』と残念がられたのがずっと気になって」。
2018年末に開発したLOVOT この教訓に答えを用意した。
手触りが伝えるのは癒しだけではない。
東京・六本木にあるギャラリー、マテリアルコネクション東京には国内外の
約1500の新素材が展示され、未知の感触を求める製品開発の担当者やデザイナーが通い詰める。
化学系の素材からガラスや繊維、さらには石やセメントまで。壁にはキノコや苔で作った素材も展示されていた。
「手触りが刺激になりアイデアが膨らむことがあるでしょう、端から端まで触りつくしていく人もいる」と代表の吉川久美子さん。
そう聞いて、冒頭の会津漆器「めぐる」の取材で出会った川端美樹さんの言葉を思い出した。
「私たち触って聞いて匂いを嗅いで味わって、全ての感覚を動員して見ているんです」。
全盲の川端さんの口から「見る」という言葉が自然に漏れたのには驚いた。
いや、「見る」は「観る」だったろうか。
触ることが制限されている時代も、感覚を総動員すれば世界はまた違った姿で立ち現れるだろう。
日経新聞 田辺省二 鈴木健撮影。
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“用の美”を楽しむ!心が豊かになる!機能的で美しい「民藝品」!
“用の美”を楽しむ!心が豊かになる!機能的で美しい「民藝品」!
[“用の美”を楽しむ。心が豊かになる《民藝のある暮らし》]
職人さんの手仕事によって生み出された、機能的で美しい「民藝品」。
民藝運動の創始者である柳宗悦(やなぎ むねよし)は、生活道具として
使われていた民藝品に新たな価値を見出し、“用の美”と称えました。
簡素で飾らない美しさと、道具としての機能性を併せ持つ民藝は、日本のみならず海外からも高く評価されています。
今回は全国の民藝品の中から、“用の美”を楽しめる素敵なアイテムを厳選してご紹介します。
2019年12月11日作成
[日々の暮らしに潤いを与える。機能的で美しい「民藝品」]
民藝運動の創始者である柳宗悦(やなぎ むねよし)は、生活道具として使われていた
民藝品に新たな価値を見出し、“用の美”と称えました。

日々の暮らしに潤いを与える。機能的で美しい「民藝品」!
職人さんの手仕事から生まれる民藝品には素朴な美しさがあり、日々の暮らしに潤いと癒しを与えてくれます。
“機械生産のものにはない独特の魅力と、生活道具としての機能性を持ち合わせた民藝品は、
日本のみならず海外でも高く評価され注目を集めています。
今回はそんな“用の美”を楽しめる素敵な民藝品をご紹介します。”
出典:機械生産のものにはない独特の魅力と、生活道具としての機能性を持ち合わせた民藝品は、
日本のみならず海外でも高く評価され注目を集めています。
今回はそんな“用の美”を楽しめる素敵な民藝品をご紹介します。
[民藝とは?]
「民藝」とは「民衆的工芸品」の略語で、“民藝運動の父”と呼ばれる柳宗悦によって作られた言葉です。
柳宗悦を中心とする民藝運動の人たちによって、暮らしの中で使う様々な
日用雑器の美しさが見いだされ、それまでにない新しい美の基準が確立されました。
““用の美”を楽しむ。
心が豊かになる《民藝のある暮らし》出典:“民藝とは「民衆的工芸品」の略です。
名もない職人たちが、日々使う庶民の生活道具のためにつくった民藝品には、
「簡素で飾らない美しさ」「用の美」があり、この「用の美」こそ「民藝の美」なのです。
出典:民藝ことはじめ | みんげい おくむら本店(民藝や手仕事の生活道具店)”“用の美”は、

みんげい おくむら本店(民藝や手仕事の生活道具店)”“用の美”!
現在は日本人の美意識として確立されていますが、生活道具として使われていた様々な日用雑器に
「美しさ」や「新たな価値」を見出したことは、当時としてはとても斬新なものでした。
出典:“用の美”は、現在は日本人の美意識として確立されていますが、生活道具として使われていた
様々な日用雑器に「美しさ」や「新たな価値」を見出したことは、当時としてはとても斬新なものでした。
“いわゆる美術品や、観賞のための工藝品にはない、使われることを前提にした健康的な美がそこに見出されました。
それは紛れもなく新しい「美」の発見だったのです。彼以前には、ありふれた日用品が美しいという人はいなかったのです。”
[民藝の歴史]
柳宗悦は陶芸家の濱田庄司(はまだ しょうじ)、河井寛次郎(かわい かんじろう)、
バーナード・リーチらとともに民芸運動を展開し、新しい美の価値を世の中に広めていきました。
職人さんの丁寧な手仕事から生み出される様々な民藝品には、
機械生産のものにはない独特の味わい深さがあります。
以下省略。
キナリノより。

手話通訳の和田夏美さん左と、田畑快仁さん!
私たちは五感で世界とつながっている!色や音や香りや味わい!そして触覚!
今日のまとめ!
私たちは五感で世界とつながっている。目が色を確かめ、耳で音を聞く。
鼻の奥で香りを感じ、舌の上で滋味を愛でる。もう一つ、触覚を忘れてはいけない。
日本の文化は、肌で感じることを大切にしてきた。
その感性はものつくりや日本語の語彙にも現れている。
触ることがはばかれる今だからこそ、触覚の不思議な力と楽しさを見つめ直してみたい。
目の先入観にとらわれず、肌感覚を頼りに完成した「用の美」は見た目も、美しい。
手になじみ、口に触れる感覚が素晴らしい!日本の文化は古くから、触ることを大切にしてきた。
茶道の茶わんは手に取ったときの手触り、重さや口当たりでも愛でる。

会津食器「めぐる」の開発に参加した全盲の川端美樹さん!手で触り、頬ずりし、唇に当てて触り心地を確かめた!
和室の畳表の感触は素足や手で感じた。
その繊細な感性は日本の語彙にも表れる。
「感覚の第一のものとして全ての動物にそなわる」(「心とは何か」)と書き残した。
でも、私たちの身の回りで活躍するロボットはどうだろう。
力持ちで小回りの利く頼もしい存在だが、彼らはまだ「触覚」を持っていない。
私たちは五感で世界とつながっている。
目で色を楽しみ、耳で音を聞く、鼻で香り感じ、舌で地滋味を愛でる。
もう一つは触覚だ!
私たちはやはり五感で世界とつながっているのだ!!
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