自然薯の楽な掘りかた!天然物は急斜面で掘る!平では10倍の時間がかかる!
中学生の時に山の斜面で大きな自然薯を見つけそれを掘った思い出です。勿論ここで言う自然薯とは「天然の自然薯」のことです。私は何事にも好奇心旺盛な少年でしたので、自然薯掘りは得意で随分多くの自然薯を掘ったものです。ここではその簡単な掘り方を紹介してゆきます。
自然薯は平らなところで掘るのは大変ですので、掘りやすい急斜面の山に入って自然薯を探しましょう。平らな地面の自然薯と、急斜面にある自然薯では、その労力は天国と地獄の違いがあります。おそらく急斜面で掘る十倍の労力がかかりますので、平らなところは避けます。
自然薯を掘る時期は、晩秋から冬にかけてですので遠くから見ても、自然薯のツルが直ぐに分かります。晩秋になると自然薯のツルは先端の傘が開いていて、ムカゴがついたりしていて見安いです。
このムカゴで晩秋にはツルにいっぱい付きますので、それを焼いて食べるとホクホクしていて美味しい!自然薯の味がします!

しかも斜面にある自然薯は特に見やすいので、遠から見てもどこかすぐにわかります。ですので掘りやすい斜面で自然薯探しをする必要があります。私が中学生の頃の伊豆の山には、多くの自然薯がありましたので、よく自然薯掘りに出掛けたものです。特に我が家の山は、自然薯の宝庫で、一度の穴で5本の自然薯を掘った記録があります。一遍に二本を見つけて掘り進めてゆくと、三本目、四本目なんと五本目もあるではないか、一度に五本ですので食べるには充分な量になりました。自然薯掘りで面白いのは、自然薯の生えている手前の斜面から掘り出すのが鉄則。自然薯の蔓を見るとどれくらいの大きさかがわかります。太くて長い自然薯の蔓は、やはりしっかりと太いツルです。そのツルの大きさで、どこから掘るのかを瞬時に判断して掘り始めます。
このような太いツルには大きな自然薯がついています。冬になると節の所から折れて、所在が分からなくなります。晩秋になると地面に目印をつけます。
斜面の手前から掘れば、少ない労力で手際よく自然薯に近づけます。ツルの生えている位置が一番重要で、木の根っこは木の根が張っていて掘りにくいので、ある程度木から離れている自然薯に狙いを定めます。晩秋になると自然薯の蔓はカラカラになっていて直ぐに節のところで折れてしまいますので、自然薯の根元に目印の棒を地面にさして存在をすぐに確認できるような準備が必要。これでほぼ準備完了です。大きい奴はかなり手前の下から掘り進めます。ある程度掘り進めたら、ここから一番大事な自然薯の頭を探すのです。自然薯の蔓の一番下に頭が(アーズ)ありますので、それを目印に、下から尚も掘り進めてゆきます。ある程度掘り進めたらここからが、自然薯掘りのハイライト—–自然薯のイモを探し出し、傷つけないような細心な注意をして芋にアプローチしますが、この時がいちばんのクライマックスで、胸がドキドキ高鳴ります。一番肝心なことはイモの一番下の先端を探し出す作業。大きな自然薯だと1.5mぐらいありますので、これの一番下の先端を探すまでが一苦労。イモの先端が見つかれば自然薯掘りの8割は完成です。これからイモの全容を探し出すときが、第二のクライマックス。イモに傷つけないよう細心の注意を払って、イモの両脇から攻めていきます。するとやがて自然薯の全容が見えてきます。ここまで来ればほぼイモ掘りは完成間近。最後の仕上げは丁寧に自然薯を土からはがすのですが、コツは下から順に剥がすこと。これが上手くできれば自然薯掘りは合格です。最後は掘った穴の処置を完全にして、元の斜面の状態に復元すると自然薯掘りが完成します。
掘り出す道具は「トンワ」と「突き金具」!「突き金具」だけで掘れれば名人クラス!天然物は極上の旨さ!麦トロが最高!!
自然薯掘りの道具は「トンワ」と「突き金具」これが自然薯掘りには必須。私達が掘る場合ほとんど斜面ですので、使う道具の8割は「トンワ」を使います。「トンワ」を使って全体像が見えてきたところで、仕上げは「突き金具」を使います。この「突き金具」は芋の周りだけを丁寧に探りながら、イモの様子を伺いながら傷をつけないように細心の注意を払い、イモの取り出しに使うのです。
この写真が「トンワ」です。これで急斜面に取り付けば簡単に掘れます。

平らなところにどうしても掘りたい、大きな自然薯があった時にはこの「突き金具」だけを使って自然薯の周りだけの「土を突き金具に乗せて」掘りだして、深く掘り進めますので、えらい労力と時間がかかります。最後は何度も、深い穴に頭を突っ込んでイモの先端を探します。自然薯掘りの名人になると「突き金具」だけを使って器用に掘り出します。平らなところでも苦にしませんそれが自然薯掘りの名人。
これが「突き金具」でこれの使い手になれば、平らで掘れる名人級の腕前に!
掘った自然薯は新聞紙などに包み大事に持ち運びます。家に持ち帰ったら先ず、イモを水できれいに洗います。同時にすり鉢とおろし金を用意し、トロロ作りに取り掛かります。同時並行でイモのお汁を作ります。ここからは二人掛かりで、すり鉢を抑える係とすりこぎで自然薯のイモをこねる二人が必要。様子を見ながらイモにお汁を入れてゆきますが、ゆっくりと少しづつ加えてゆくのがコツ。そして時々トロロの濃さを入念にチェックして、伸ばし過ぎは絶対に禁物。これで出来上がりですが—–ご飯はできれば、麦飯が一番旨い!おそらく麦トロの右に出るものはない、それほど旨い!!


嘗て、一度だけ我が家の「柿の木の大木の近くの平」に、大きな自然薯があって、中学二年の時にそれに挑戦しました。デカイ自然薯で大変な思いで掘り進めたのですが、深い上に平らな地面で、「突き金具」だけで土を掘りあげるのに苦労に苦労を重ねて、半日近くかかって私の背丈をはるかに超える大物を掘り出しました。一番太いところは幹周りが20cmぐらいのどデカい奴でした。これが私の自然薯の最大記録!!おそらく1キロは越えていたでしょう!!
今は、我が家の「自然薯の宝庫雑木林」はイノシシにやられて全滅しました。あんなに多くの自然薯が出ていた雑木林は、今は全く見ることはできません!残念無念!自然薯だけではありませんタケノコも全部食い荒らしますので、今は亡き兄が、竹と網で囲いを作りイノシシ避けをしていますので、その囲いの中だけは毎年出てきます。
私は渓流釣りでよく山奥に出かけますが、そこで雑木林をくまなく見ますがどこに行っても自然薯を見ることはありません。ただ一度だけ、宮ヶ瀬ダムの雑木林の一角が鉄網で囲まれた一角に、自然薯のツルを見かけました。その一角は湖と鉄柵で囲まれたイノシシの入れない一角で、人も鉄柵を乗り越えなければ入れないところでした!!そこには美味しそうな「自然薯のツルだらけ」でした!!今はこんな険しいところにしか自然薯を見つけることは、できなくなりました。天然の自然薯は特別旨いので、是非一度、天然の自然薯掘りをしたいと思っていますが、そんな場所はもうどこにもありません!!!
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