水素・緑も青も総力戦!第4の革命カーボンゼロ!Hを制する!水素は燃やせばロケットを飛ばすエネルギーを生み、CO2ゼロ!

Pocket

第4の革命!カーボンゼロ!


水素・緑も青も総力戦!第4の革命カーボンゼロ!Hを制する!水素は燃やせばロケットを飛ばすエネルギーを生み、CO2ゼロ!

 

原子番号一番、元素記号Hが温暖化ガス排出を実質的になくすカーボンゼロの切り札に浮上した。

宇宙の元素で最も多い水素は枯渇せず、燃やしても水になるだけ。

究極の資源Hを制する競争が始まった。

オーストラリア南東部のビクトリア州ラトローブバレー。

日本の発電量の240年分に当たる大量の低品位石炭、褐炭が眠るこの地で1月、水素の製造が始まった。

採掘したての褐炭を乾燥させて砕き、酸素を注入して水素を作る。1日当たり2トンの褐炭から70gの水素ができる。

年内にはセ氏マイナス253度で液化した水素を専用船で日本に運ぶ。川崎重工の子会社、

ハイドロジェン・エンジニアリング・オーストラリアの川副洋史取締役は

「製造、液化した水素を海上で大量輸送する供給網を作るのは世界初」と話す。

2030年代の商用化後は水素製造時に出る二酸化炭素=CO2 を約80km離れた海岸沖の地底に埋める。

脱酸素の王道は太陽光や風力など再生可能エネルギーによる電化だが、大型飛行機は電気で飛ばすのが難しい。

高温で鉄鉱石を溶かす航路も電気では動かない。

水素は燃やせばロケットを飛ばせほどのエレルギーを生み、CO2も出さない。

カーボンゼロの最後の扉を開く鍵となる。

英石油大手BPは「カーボンゼロなら50年の最終エネルギー消費量の16%を水素が占める」とみる。

「世界で最も安い水素の供給源は限られる。

もたもたしていると他国にとられる」水素を成長事業に据える千代田化工建設の森本孝和フロンティアビジネス本部長は焦りを隠さない。

 

 

CO2を出さない再生エネルギーの電気で水を分解してつくる「グリーン」!

事業計画200以上!石炭や天然ガスなど化石燃料から取り出すと「グレー」・CO2を回収すれば「ブルー」・CO2を出さない再生エネルギーの電気で水を分解してつくる「グリーン」!!

 

世界はすでに総力戦に入った。

世界の関連企業で作る「水素協議会」によると、1月までに世界で200以上の事業計画が公表された。

投資額は合計300億ドル=約33兆円 を超す。

無色透明の水素を専門家は製法で「色分け」する。石炭や天然ガスなど化石燃料から取り出すと「グレー」。

今流通する工業用水素の99%がそうだが、CO2は削減できない。

豪州の例のように化石燃料由来でも製造過程でCO2を回収すれば「ブルー」。

そしてCO2を出さない再生エネルギーの電気で水を分解してつくる「グリーン」だ。

欧州連合=ESA はグリーン水素に傾斜する。

30年までに電気を分解する装置に最大420億ユーロ=5兆5千億円 を

官民で投じ、日本の30年目標の3倍超の年1000万トンをつくる。

いまの製造コストはブルーより高いが、再生エネと電解装置の値下がりで将来は逆転するとの見方もある。

ロシア、カナダなどの資源大国はブルーに前向きで、サウジアラビアや豪州のように両方を手掛ける国もある。

ブルー水素に生き残りをかけるオイルメジャーの思惑も絡み、水素の「規格争い」は一筋縄ではいかない。

コストが普及を阻む。

水素を製鉄に使う場合、1kg1ドル=約109円 が実用化の目安とされるが、

いまの生産コストはブルーが同2~3ドル、グリーンが同2~9ドルとまだ高い。

日本で水素を発電に使うなら同2ドルで採算が合うが、現状で豪州からの輸入液化水素は同17~18ドルと上回る。

炭素税の導入も課題だ。石炭を使う高炉の代わりに水素で鉄を還元する方法に切り替えると、鉄鋼製品は値上がりする。

調査会社ブルーバーグ=BNEF は水素が1kg1ドルに下がった場合、CO2 1トンあたり

50ドル前後の炭素税をかけると長期的に水素製鉄が高炉より有利になると試算する。

炭素税が高炉の鉄鋼価格を1~2割押し上げるとみられる。

 

 

カーボンゼロに向け、官民一体で再び見取り図を描く時だ!

戦略最高の時!カーボンゼロに向け、官民一体で再び見取り図を描く時だ!!

 

日本は17年に世界初の水素戦略をまとめ、関連特許の出願数も首位。

世界をリードできるはずが、日本企業関係者は外国政府との折衝で「日本は導入が遅くてイライラする」とよく言われる。

EUは50年までに官民で最大4700億ユーロを水素に投じ、米バイデン政権も研究開発を支援する。

日本は脱酸素基金から3700億円を当てるが、迫力不足。

BNEFによると国内総生産=GDP に対する水素関連予算の比率は韓国や仏独が0.03%に対し、日本は3分の1の0.01%にとどまる。

大気汚染が深刻だった60年代、液化天然ガス=LNG は硫黄や窒素をほぼ含まない「無公害燃料」と呼ばれた。

リスクも大きかったが、東京ガスと東京電力が共同で手をむすび、旧通産省が後押しするオールジャパン体制を構築。

世界に先駆けて供給網を整え、アジアに関連インフラを輸出するまでに成長した。

「夢の燃料」と呼ばれる水素。ブルーかグリーンか、輸入か国内生産か、炭素税はどうするのか。

日本で初めてLNGを輸入してから約半世紀。

カーボンゼロに向け、官民一体で再び見取り図を描く時だ。

 

 

水素・燃やしても水になるだけ・「グリーン水素」!

今日のことば!水素・燃やしても水になるだけ・「グリーン水素」!

 

宇宙の元素の約9割を占め、最も多く存在する物質。非常に軽く、燃焼時の発熱量は炭素の約4倍もある。

燃やしても水になるだけで二酸化炭=CO2 を排出しないため、脱酸素社会への「夢の燃料」として期待される。

石油精製で不純物を取り除く用途のほか、肥料用アンモニアの原料として利用される。

今後は化石燃料の代替えとして利用が広がりそうで、再生可能エネルギーによる電化が難しい製鉄や航空機での応用が期待される。

トヨタ自動車が2014年に世界初の量産型の燃料電池車を発売し、全国で水素ステーションの整備が進む。

水素は製造過程で色分けされる!

いまは石炭や天然ガスを改良した「グレー水素」

が主流で、製造時にCO2を放出する。

化石燃料由来でもCO2を回収・貯蔵する「ブルー水素」では、石油元売り大手

ENOSがサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコと協議を検討する。

岩谷産業が北海道で事業化する構想もある。

再生エネで水を電気分解して製造する「グリーン水素」では、

旭化成が福島県浪江町の実装実験施設に世界最大級の製造装置を設置した。

5月3日 日経新聞。

 

 

水素の生産、消費量が世界最多の国、中国!


見えてきた新・生態系!水素都市へ走る中韓!第4の革命カーボンゼロ!

 

中国南部の広東省仏山市高明区。

経済発展に伴って立ち並ぶ高層マンションの間を縫うように路面電車が静かに走る。

よくみると給電に必要な架線がない。

燃料電池を乗せて水素=元素記号H で走る「高明有軌電車」だ。

15分間の水素充填で100km走り料金は路線バス並みの2元=約30円。

地元に住む徐さんは「子供と公園にゆくのに使う。音が静かで快適だよ」と話す。

2019年11月から運行を始め、20年の1日当たりの乗客数は1千人を超えた。

 

 

水素を生成する水電解装置は半分以上が中国市場で売れる!現代自動車が旗艦工場を置く!「水素モデル都市」に指定!

国家主導で需要!世界最大の水素生産国である中国!水素を生成する水電解装置は半分以上が中国市場で売れる!現代自動車が旗艦工場を置く!「水素モデル都市」に指定!

 

仏山市では水素で走るバスやトラックが約1500台運行し、中国全土の普及台数の約2割を占める。

広東省には製造業が集積し材料となる樹脂製品工場も多く、副産物で水素が出る。

市は18年から本格的に関連産業を振興し、数十の関連企業が集まる。

世界最大の水素生産国である中国。現状は工業用が体制を占める。

そこでいくつかの都市を仏山のような「水素都市」に選定。

インフラを整えやすい商用車や鉄道に投資を集中し、国家主導で需要を作り出す。

新エネルギー・産業技術総合開発機構=NEDO によると、19年9月時点で中国を走る水素燃料車の99%超が商用車だった。

現在は生成過程で二酸化炭素=CO2 が出る「グレー水素」が主流だが、再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」でも手を打つ。

北京市に隣接する河北省張家口市の農村地帯。

小高い山に数百mの間隔で風車が幾重にも並ぶ、風力発電が盛んな場所だ。

同省の国有企業は、この電力を使って水を分解し、水素を生成する世界最大級の装置を作った。

欧州で個体水素の貯蔵技術を誇るマクフィーなどの技術協力を得て、

設備やパイプラインの整備を進め、年間約1500トンの水素生産を見込む。

調査会社の米ブルームバーグNEF=BNEF のアナリストテングレル・マルティン氏は

「水素を生成する水電解装置は半分以上が中国市場で売れる」と指摘する。

上の図は、2017年中国の水素製造潜在能力!

強引にも映る市場創出で水素大国を目指すのは中国だけではない。

韓国南東部の蔚山=ウルサン 。

現代自動車が旗艦工場を置く人口約115万人の工業都市を、韓国国土交通省は19年12月「水素モデル都市」に指定した。

石油製造の過程で年間82万トン出る水素を使い、生産から消費までの生態系を整える。

蔚山市の燃料電池車=FCV の登録数は2000台と韓国全体の約2割を占める。

購入時に半額補助され、現代自のネッソ=NEXO なら3400万ウオン=約330万円 で買うことができる。

水素ステーションの設備費に至っては全額を公的補助。

市によると一部は黒字化した。

翻って日本はどうか。

09年、世界に先駆けて家庭用燃料電池=エネファーム を実用化し、

14年にはトヨタ自動車が世界初の量産型=FCV 「ミライ」を発売した。

水素大国を目指し技術では先頭を走っていたのに、市場の育成で中韓に後じんを拝す。

 

 

低品位の褐炭から水素を製造する!豪南東部ラトロープバレー!


供給網生せず!官民一体で中韓のような「水素生態系」を作り上げているとは言いがたい!日本だけが置いてけぼりだ!

 

官営八幡製鉄所が整備され日本の近代産業の発祥の地である福岡県北九州市の八幡東区。

町中を長さ1.2kmの水素パイプラインが走る。

日本製鉄が製造過程で生まれる水素を供給し、岩谷産業が世界でも珍しい「街中パイプライン」を管理。

実証住宅などに置かれた燃料電池に供給する。

このプロジェクト、世界に先駆け10年度にパイプラインによる水素供給実験を始めたが、5年で一度打ち切った。

18年度に再開したが来春また一部実験が終わる。

官民一体で中韓のような「水素生態系」を作り上げているとは言いがたい。

せっかくの供給網を生かさなければ、日本だけが置いてけぼりだ。    

5月4日 日経新聞。

 

ではこれにまつわる研究をしてゆきます。

 

 

中国の広州、仏山で走り出した燃料電池路面電車!


水素の生産・消費が世界最多の国、中国のエネルギー戦略とは!気候変動と大気汚染を解決する水素エネルギー!!

 

[水素の生産・消費が世界最多の国、中国のエネルギー戦略とは]    

中国における燃料電池・水素エネルギーの開発動向と将来展望(5)

中国政府は気候変動対策として、他国に先駆けて水素を主要エネルギーのひとつに位置付けており、国として様々な取り組みを推進している。

中国の水素エネルギーの現状と将来像はどのような姿を描いているのか。デジタルリサーチの遠藤雅樹氏が解説する。

[気候変動と大気汚染を解決する水素エネルギー]     

中国政府は水素エネルギーについて、イノベーション主導の開発計画を策定し、エネルギー産業(電力、熱)と

輸送分野(自動車、列車、船舶)という主要産業で実用化を図ろうとしている。

燃料電池開発のサプライチェーン育成と並行し、水素エネルギー開発と産業チェーン形成にも注力している。

中国水素エネルギー開発の眼目は、輸送分野のクリーン燃料という側面のほかに、輸入に依存しない

エネルギー自立の最終手段として水素を位置付け、エネルギーの国内調達率を

高めるキーファクターとして水素を重視する戦略をとっていることだ。

中国の一次エネルギー消費構成(2018年)は石油が20%、天然ガスが7%、石炭が58%、原子力が2%、水力が8%、

再生可能エネルギー等が5%となっていて、一次エネルギーの50%以上を石炭に依存している。

石油の70%、天然ガスの46%は海外からの輸入に頼っており、石炭への過度な依存は深刻な大気汚染を引き起こしている。

自動車市場の急速な拡大はガソリン消費を激増させ、石油輸入量も拡大基調にある。

再生可能エネルギーと水素エネルギーの大規模導入は、そうした問題を一気に解決する手段となりえる。

中国政府は、2015年パリ開催のCOP21で合意された

「パリ協定」において、CO2排出量の削減を中国の責務と認め、

CO2排出量を2030年までに2005年比で60~65%削減し、一次エネルギー消費の

非化石エネルギー比率を20%まで引き上げることを表明した。

中国にとって、COP21で表明した国際社会に対する責務を果たすことと、

エネルギー自立を達成することは、国というクルマの両輪であろう。

中国政府は2020年から水素をエネルギー源とみなし、エネルギー統計にも計上する。

水素をエネルギーのひとつと明確にカウントしたのはおそらく中国が初めてだろう。

水素を利用したエネルギーの国産化政策の推進は、エネルギー安全保障にもつながるとみているのだろう。

中央政府の方針を受け、地方政府は陸続として「水素エネルギー産業発展行動計画」を策定しつつある。

 

 

 

 


山東省斎亭の燃料電池バス!!
   


中国で大規模なグリーン水素製造が始まる!中国で走行している燃料電池バスとトラック!!!

 

[中国で大規模なグリーン水素製造が始まる]    

今年の3月7日、福島県浪江町で、世界最大級の再生可能エネルギーを活用した

水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」の開所式が安倍首相も出席して行われた。

1万キロワット規模の太陽光発電からの電力で水を電気分解して

水素を製造する設備が完成し、これから稼働が始まるにあたっての式典だった。

水素の製造、輸送、貯蔵、利用に関わるシステム開発の拠点となる。

日本が水素社会に向けて大きく踏み出したと思わせるものだった。

この式典の1ヶ月半後の4月20日、中国のBaofeng Energy社が、中国北部の寧夏で

太陽光発電による水電解水素製造プラントの建設を始めるとの発表を行った。

太陽光発電の規模は20万キロワットだということだから、

浪江町の設備規模の20倍であり、現時点で世界最大級の設備となる。

水素製造能力は2万立方メーター/時。

同社は炭坑での石炭採掘から石炭化学事業までを手がけてきたが、

この水電解設備の運用によって脱石炭に向けて踏み出すとしている。

建設コストは1.98億ドルということだが、中国政府の手厚い補助策がある筈だ。

さらに、水素充填設備の新設や燃料電池バスへの水素供給も事業の対象になるとしている。

2020年末までに稼働する計画になっている。

世界の水素製造量(IEA:2018年)注1)は7,000万トンだが、天然ガスからの水素が石炭からのものの2倍以上になっている。

一方、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2020年1月に出した

「中国の水素・燃料電池産業の動向」注2)というレポートに拠れば、2017年の中国の

水素製造量は推定約2,136万トンと多いが、2016年では石炭由来が62%と圧倒的に高く、天然ガス由来は19%と低い。

石炭事業者であるBaofeng Energyは、水素の製造・供給にも関わっているようだから、

水電解で製造される水素へシフトさせるだけで済み、グリーン水素としての付加価値を上乗せした販売ができる可能性もある。

太陽光発電からの電力を全て水電解に消費する必要はないだろうが、可成りの量の水素需要がなければ事業として成立しにくい。

同社が対象としている運輸部門について見ると、2019年末までの累計で約6,200台の

燃料電池バス、トラックが販売されているから注2)、かなりの規模の水素が供給されているはずだ。

2019年9月末での登録内訳も示されているが、物流車の比率がもっとも高い。

省ごとの台数は広東省1,676台、上海市858台、江蘇省246台などと広域で利用されており、中国には、

これら燃料電池バス、トラックへの水素供給ネットワークができていると認識できる。

中国で走行している燃料電池バスとトラックの画像をご紹介する。

そして、燃料電池バス・トラックに加えて、日本ではまだ見られない燃料電池路面電車が

2019年末の時点で3つの都市部、山東省 青島 と河北省 唐山、広州 仏山で走行している。

北京市を走る燃料電池バス!

バス、トラック、路面電車に使用されている燃料電池は、カナダのバラード社などの技術を導入して製造され、トヨタ自動車も支援している。

水素の利用によって都市部の大気汚染を確実に抑制でき、再エネ電力による水電解からの水素利用が増大すれば、

地球温暖化ガスであるCO2の排出量が世界で最も多い中国への批判を和らげることにもなる。

また、送電系統容量の不足から、風力・太陽光発電の拡大が難しくなっているのを解消できるかもしれない。

今後の動向を見守る必要があるだろう。    

IEEI より。 

 

 

分散型再生エネは”電力グッド”と”水素グッド”を通じ電力需要地に運ばれ、消費される!!   


水素の未来を考える(第一部)!中国は世界屈指の水素生産資源に恵まれ、同時に世界最大の再エネ発電設備導入量を持つ国!!

 

[【水素の未来を考える(第一部)】]    

今回のブログでは、中国における水素の未来について考えてみたいと思います。

中国が現在国の戦略的振興産業と位置付ける水素・燃料電池産業、そしてここ10年以上世界のトップを走り続けている

再エネの導入量、この二つの大局的な動きにはどのような関連性があるのでしょうか。

また、中国が描く将来の再エネ・水素経済とはどのようなものなのでしょうか。

これまでに行ってきた中国再エネ、水素産業の調査から得られた情報・観点からこれらの問題について考察して行きたいと思います。

第一部では水素が注目されている背景、中国における水素製造、用途、並びに中国政府の狙いについて、

第二部では水素の貯蔵・輸送について水素サプライチェーンのあり方について考えを書いていきたいと思います。

 まずはビッグ・ピクチャーから。そもそも再エネ・水素経済推進の根本的な動機は、化石燃料への

依存による二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を抑制すること、またそれにより

地球温暖化の抑制、および(中国では特に)大気汚染の緩和を図ることです。

日本の場合はこの他の理由としてエネルギー安全保障の観点からも

水素にかける期待は大きいですが、このことについては第二部で触れたいと思います。

下のグラフはIRENAが2018年に発表した、2010年~2050年の世界のCO2排出量の予測です。

IRENAが2018年に発表した、2010年~2050年の世界のCO2排出量の予測です!

緑色のピーク線はパリ条約における目標を達成するために世界が地球温暖化に向けた

対策を実施した場合のCO2量、黄色は現行政策を維持した場合のCO2量になります。

分野別に見ると発電、交通、産業セクターから排出されるCO2は特に多く、発電所と交通の

分野については再エネの化石燃料との代替により最も削減余地が大きいことを示しています。

そして、削減可能なCO2排出量のうち、94%が再エネの導入により削減できるとしています(図1)。   

この統計は世界は2020年頃にCO2排出量のピークを迎え、再エネの世界のエネルギー消費量に

占める割合は現在の18%から2050年には65%に達する必要があることを示しています(図2)。

また、再エネ発電量のうち、風力発電と太陽光発電が大部分を占めています。

これほど莫大な量の再エネを一体どのようにして化石燃料と代替し、経済に安定的に供給していくのでしょうか。

これら再生可能エネルギーの発電は化石燃料による発電と異なり、発電量が天候条件や時間帯により大きく変動するという特徴があります。

このためエネルギー需要地に近いところで発電された再エネは、当地で必要な分だけ安定的に

発電するということができず、このままでは余剰電力を生じたり、電力不足が生じる恐れがあります。

この問題を解決するには、再エネの発電で余ったエネルギーを貯蔵し、必要な時に供給できるようなエネルギー・キャリアが必要となります。

このようなエネルギー・キャリアとして従来活用されているのが”電池”です。

しかし、電池は体積あたりに貯蔵できるエネルギー量が化石燃料などに比べて遥かに小さいため、サイズが大型になり利便性に欠けます。

また電池は時間の経過と共に自然放電するためエネルギーの長期的保存ができない、劣化が早く寿命が短い、

リサイクルし難いなどの問題もあります。近年電池も進化し、鉛蓄電池から現在は

リチウムイオン電池など蓄電容量、寿命が大幅に向上していますが、商業・工業施設など中・大型のエネルギー需要地で

MW級の再エネ発電を行うようなケースではやはり十分とは言えません。

 ここでやっと”水素”の登場です。

水素は気体燃料の中では体積エネルギー密度が最も大きく(図3)、

電池と水素のエネルギーの体積密度!

電池と異なり自然放電などのエネルギーロスがないため、大容量のエネルギーを長期貯蔵することができます。

また、他の気体燃料と異なり、エネルギーを取り出す過程で一切炭素が排出されません。

このような特徴が、将来莫大な量の再エネを”電力グリッド”と並び”水素グリッド”(図4)を通じて

エネルギー需要地に供給するための理想的なエネルギー・キャリアとして水素が国際的に注目を集めている理由なのです。

このような背景の中、中国は世界屈指の水素生産資源に恵まれ、同時に世界最大の

再エネ発電設備導入量を持つ国(詳細はこちらのブログ記事参照)でもあります。

さて、中国はどのように水素を見据え、どのように水素を活用していく考えなのでしょうか。

前置きが長くなりましたが、ここからは中国の水素製造の実態について見ていきましょう。

 中国標準化研究院と全国水素エネルギー標準化技術委員会が「中国水素エネルギー産業基礎施設発展ブルーブック」

にて公表しているデータによれば、2016年の中国水素製造量は2100万トンに及びます(図5)。

2016年の中国水素製造量は2100万トンに及びます(図5)!

内訳は石炭ガス化が第一位の1302万トン、続いて天然ガスの水素転化が399万トン、

水電気分解が21万トン、その他が378万トンとなっています。

IRENAによれば2016年世界の水素製造では天然ガス由来が最も多く(48%)、

次に石油(30%)、石炭(18%)となっているので、石炭産出大国である中国らしい実態となっていることが分かります。

なお各水素製造技術については別のブログで紹介していますのでご参照ください。

 このように生産された水素は、化学工業(アンモニア、ポリマー、レジンなど)、

石油精製(水素クラッキング、水素処理)、鉄鋼(還元、ブランケッティングなど)で主に消費されています。

石炭ガス化や天然ガス転化により生成された水素ガスはそのままでは純度が低く、

一酸化炭素、二酸化炭素、硫黄成分などの不純物が混合しているため、PSAと呼ばれる

(触媒を使って混合物から水素だけを取り出し純度を上げる方法)処理が必要になります。

しかし、燃料電池車や定置型燃料電池に使われる燃料電池(特にPEMFC)は一酸化炭素、

硫黄などに極めて敏感であり、微量で容易に腐食劣化を起こしてしまうため

これらの方法で製造された水素は理想的ではありません。

また、水素ガスの製造段階で多量の炭素が発生してしまうことも懸念事項です。

この過程で発生する二酸化炭素はCCSという技術により混合ガス中から回収され、圧縮し液状にした後に地中深くの岩盤層に貯留されます。

 現在中国では、燃料電池用には通常工業副産ガス(硫黄が含まれることのない工場のもの)を

PSA法による高純度処理した水素が使用される傾向があります。

また、中国は世界最大の棄風、棄光、棄水(詳細はこちら)を抱える国でもあり、これらの

再エネ余剰電力を活用した水電解水素が将来の燃料電池の主要な水素源となることが期待されています。

このように、製造された水素は需要側の純度要求により使い分けられ、将来的には異なる

水素調達源毎に消費用途が棲み分けされていくことが予想されています(図6)。

水素調達源毎に消費用途が棲み分けされていくことが予想されています(図6)!

また、中国水素エネルギー産業基礎施設発展ブルーブックによれば、2017年における中国の

石炭ガス化による潜在的な製造能力は24.38億トン/年、

天然ガス水素転化は5.01億トン/年、工業副産ガス由来の水素が67.3万トン/年

(うちコークス炉56.64万トン/年、プロパン脱水素2.25万トン/年、

苛性ソーダ由来副産ガス8.41万トン/年)と公表されています。

 また、棄水、棄風、棄光再エネ由来の水電解水素については、現在の棄水、棄風、棄光量から

算出できる理論的な製造量は179.82万トン/年にまで登ると公表(図7)しています。

もしこの20%にあたる36万トンが水素燃料電池車に消費されると仮定すると、年間で約15万台もの

燃料電池商用車の需要をカバーすることができことになります(1台あたり平均水素6.5Kg/日消費すると仮定)。

中国政府は2030年までに水素燃料電池車を100万台普及させることを目標にしていますが、今後も

再エネ発電設備の導入はまだまだ増加していくことを考慮すると、これら

再エネ由来の水素だけでもかなりの割合の燃料電池車に対して水素を供給することができると考えられます。

詳細は、弊社が例年発行している中国の水素サプライチェーンの産業調査レポートもご参照ください。

2019年1月18日中西豪=INTEGRRAL総務課!

 このように恵まれた再エネ資源を持つという観点からも、中国政府が非常に水素に注目している理由が分かります。

2019年は河北省張北市沽源において、世界最大となる10MW風力発電利用電解水素製造実証プロジェクトが

スタートする予定となっていますが、弊社は2018年に実証試験場を視察しており、設備などの詳細は別の調査レポートで紹介しています。

同プロジェクトでは年間約1500トンの水素が生産され、張家口冬季五輪に向けて開発が進んでいる

張家口再生可能エネルギーモデル地区や張家口市内の水素ステーションに供給される予定となっています。    

INTEGRAL より。

 

 

日本は再度水素を基本とした革命の戦略を描き、世界を再び主導してゆかなければならない!

日本は再度水素を基本とした革命の戦略を描き、世界を再び主導してゆかなければならない!!

 

今日のまとめ。

原子番号一番、元素記号Hが温暖化ガス排出を実質的になくすカーボンゼロの切り札に浮上した。

宇宙の元素で最も多い水素は枯渇せず、燃やしても水になるだけ。究極の資源Hを制する競争が始まった。

水素は燃やせばロケットを飛ばせほどのエレルギーを生み、CO2も出さない。

カーボンゼロの最後の扉を開く鍵となる。世界はすでに総力戦に入った。

石炭や天然ガスなど化石燃料から取り出すと「グレー」。今流通する工業用水素の99%がそうだが、CO2は削減できない。

豪州の例のように化石燃料由来でも製造過程でCO2を回収すれば「ブルー」。

そしてCO2を出さない再生エネルギーの電気で水を分解してつくる「グリーン」だ。

「夢の燃料」と呼ばれる水素。

ブルーかグリーンか、輸入か国内生産か、炭素税はどうするのか。

日本で初めてLNGを輸入してから約半世紀。カーボンゼロに向け、官民一体で再び見取り図を描く時だ。

宇宙の元素の約9割を占め、最も多く存在する物質。

非常に軽く、燃焼時の発熱量は炭素の約4倍もある。

燃やしても水になるだけで二酸化炭=CO2 を排出しないため、脱酸素社会への「夢の燃料」として期待される。 

見えてきた新・生態系!

水素都市へ走る中韓!第4の革命カーボンゼロ! 

国家主導で需要!世界最大の水素生産国である中国!

水素を生成する水電解装置は半分以上が中国市場で売れる!

現代自動車が旗艦工場を置く!

「水素モデル都市」に指定! 

供給網生せず!官民一体で中韓のような「水素生態系」を作り上げているとは言いがたい!日本だけが置いてけぼりだ!  

水素の生産・消費が世界最多の国、中国のエネルギー戦略とは!気候変動と大気汚染を解決する水素エネルギー!! 

中国の「再エネ由来水素」の可能性!ブラウン水素+CCSも重要な選択肢! 

中国で大規模なグリーン水素製造が始まる!

中国で走行している燃料電池バスとトラック! 

水素の未来を考える(第一部)!

中国は世界屈指の水素生産資源に恵まれ、同時に世界最大の再エネ発電設備導入量を持つ国!

今日は世界が総力を上げて取り組むのが「夢の元素」水素!

水素はロケットを飛ばせるだけのエネルギーを持ち、燃やしても水しか出さない夢の元素だ!

世界では中国が先頭を走っているが、日本もうかうかしていられない!

かつては先頭を走っていただけに、余計それが目につく!

日本は再度水素を基本とした革命の戦略を描き、世界を再び主導してゆかなければならない!

Pocket

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

私はかなり高齢な建築家です。出身は伊豆の湯ヶ島で多くの自然に触れて育ちました。少年時代の思い出も記事になっています。趣味が多くカテゴリーは多義に渡ります。今は鮎の友釣りにハマっています。自然が好きで自然の中に居るのが、見るのが好きです。ですので樹木は特に好きで、樹木の話が多く出てきます。 電子書籍作りも勉強して、何とか発売できるまでになりました。残り少ない人生をどう生きるかが、大事です。