朝食という贅沢!Delight of breakfast!在宅勤務の普及や外食機会の減少で、朝食を楽しむ機運が高まった!

Pocket

朝食という贅沢!Delight of breakfast!在宅勤務の普及や外食機会の減少で、朝食を楽しむ機運が高まった!

朝食という贅沢!Delight of breakfast!在宅勤務の普及や外食機会の減少で、朝食を楽しむ機運が高まった!

 

在宅勤務の普及や夜の外食機会の減少を背景に、

朝食をゆっくり楽しむ機運が高まっている。

食文化は社会を写す鏡と言われる。

戦後働き者の日本人は朝の時間のゆとりを失い、

朝食を食べない人も増えた。

そんな傾向が新型コロナウイルスの下で、

図らずも見直されつつあるのだ。

朝からキッチンに立って支度をしたり、

朝食専門店を訪れた李――。

忙しい1日が始まる前、

食卓を囲む一時は、

豊かさと贅沢に満ちている。

 

 

「喜心」のカウンターからは厨房の大きな土鍋が見え、白米の炊き上がる音や香りが楽しめる!


食べる楽しさ 語り合う幸せ!Delight of breakfast!

 

JR鎌倉駅の西口から徒歩で約10分、トンネルを抜けた先に、

早朝から客足の絶えない料理店「喜心 kamakura」がある。

お目当ては全6品からなる土日限定の朝食コースだ。

9月上旬の週末の朝、常連客の桶谷真理子さんはお気に入りのカウンター席に座った。

旬の野菜の煮浸しを堪能する間、目の前の厨房では土鍋が強火にかけられる。

山形のお米「つや姫」を一気に焚き上げるのだ。

パチパチパチ――-。

そんな音が聞こえたら、土鍋の中でおこげができ始めて、炊き上がった合図だ。

湯気の立ち上がる土鍋から「煮えばな」が供される。

煮えばなとは、硬いお米から柔らかいご飯に変わった瞬間の、水分をたっぷりまとったご飯のこと。

甘い香りとアルデンテのような食感が味わえる。

けんちん汁、きのこの餡がかかったジャガイモ餅、カレイの煮つけ、そして炊き立てのご飯――。

手の込んだ品々はどれも味わい深く、食べ終わる頃には1時間が立っていた。

「のれんをくぐった時からワクワクできる。

味覚はもちろん、目や耳や鼻、五感全部が朝から刺激された」と桶谷さん。

会社勤めで忙しく、普通はヨーグルトなどで朝食を済ますことが多いいだけに

「ご飯が炊き上がるのを待つ時間そのものがごほうび」と話す。

「喜心」という店名は、調理をする心構えとして道元禅師が示した「三心=喜心、老心、大心」から名付けた。

「喜心」という店名は、調理をする心構えとして道元禅師が示した「三心=喜心、老心、大心」から名付けた!

禅道では「食事を作るのも食べるのも全てが修行」と考える。「3食きちんと作って食べるのは時に大変。

だけど、喜びの心=喜心を持って向き合いたい」とオーナーの池田ゆりさんは言う。

そんな気持ちを忘れないでもらうため、

京都と鎌倉の2店舗であえて手間と時間をかけた朝食を提供している。

新型コロナウイルス渦で行動様式が変化する中、人々の朝食との向き合い方も変わりつつある。

料理レシピサービス「クックパッド」では従来、「朝ごはん」の

平均検索時間が7時台に収まっていたが、昨年3~5月は8時台にずれ込んだ。

同社で検索データを分析する伊尾木将之さんは

「朝の時間を有意義に利用して、朝食を楽しもうとしていた可能性がある」とみる。

都内に住む写真家の清水伸彦さんと妻の紗央里さんが昨年春、朝食作りに目覚めたのもコロナ渦がきっかけだった。

外出もままならない、鬱屈した日々が続くなか

「できる範囲で生活に変化をつけて」=伸彦さん 夫婦で朝食作りを始めたのだ。

朝7時すぎ、台所に2人の姿があった。

この日のメインは、イチジクのフルーツサンドだ。

朝食の仕上げをする清水さん夫妻。和食も洋食も好きだが、季節の変化を感じられるフルーツサンドは特にお気に入りだ!

紗央里さんがパンに生クリームを塗る傍で、伸彦さんが手際よくスープやサラダなどの副菜を用意していく。

30分ほどで食卓にごちそうが並んだ。

朝食は夫婦にとって大事な語らいの時間だ。

夜は互いに別々の用事があったり、疲れて寝てしまったり。

でも朝ならじっくり向き合える。紗央里さんいわく「仕事や将来のことが、真面目な話は朝の方が多いかも」。

コロナ渦のニュースを見ながら「自分が総理大臣になったらどうする?」などと議論することもあるという。

「何気ない朝のひとときを大切にしたい。

そう思った伸彦さんが、この時間を記録に残そうと朝食風景を撮影して

SNS=交流サイトへの公開を始めたところ「この卵かけご飯、おいしそー!」などと反応が返ってきた。

朝食は夫婦のみならず、様々な人との「架け橋」へと育っているようだ。

朝食は元来、人とのコミニケーションの欠かせない場でもある。

例えば菅義偉前首相は官房長官時代、毎日のようにホテルで各界の有識者と朝食を取ることで知られた。

古くは、戦前に首相を3度務めた近衛文麿の内閣も「朝食会」で政策議論を深めたとされる。

多忙なビジネスマンも朝食なら時間を合わせやすい。

夜の会合と違ってお酒抜きでありながら、適度に寛いだ

雰囲気で会議ができる「パワーブレックファースト」は欧米では常識だ。

異業種交流会「丸の内朝食会=ちょうはんかい」も1963年の発足以来、

丸の内界隈で働く会社員らの「朝の社交の場」となってきた。

ケネディ米大統領暗殺事件の一報を聞いた当時の10~20代の若者らが時代のうねりを感じ、

「世の中をなんとかしなければ」と集まったのが始まり。

以来60年近く、勤務前、毎週木曜日の朝に集まってきた。

朝7時、十数人の参加者が一緒に朝食を食べた後、ゲスト講師の話を聞いたり、参加者で討議したりする。

「デジタル社会とスマホ「私の家庭菜園と有機農業」――。

議題は様々だが、ルールは仕事や政治、宗教を持ち込まないこと。

参加者の一人は「ここは知識の泉。

仕事から離れたコミニケーションが何よりも楽しみ」という。

コロナ渦で見直される、朝食という貴重な時間。

もてなし、もてなされ、人と人が語り合う幸がそこにある。

 

 

世界の朝食を求め「WORLD BREAKFAST ALLDAY」には週末長蛇の列ができる!


日本の朝食 多様性という豊かさ!Delight of breakfast!

 

異国の旅先で食べる朝食には、なんとも言えぬ楽しさがある。

その国の暮らしぶりや人々の気質が、少し理解できた気がするからだ。

国内にいながら、そんな体験ができる店が都内にある。

東京の外苑前と吉祥寺に店を構える「WARLD BREAK FAST ALLDAY]だ。

米英、ノルウエー、台湾の4カ国・地域の朝食を常時提供するほか、2ヶ月ごとに新たな国の朝食も用意する。

8~9月はスウェーデンの朝食を提供した。

オーナーの木村顕さんは「現地の人が毎朝食べている味を再現したい。

日本人の口に合わなくても『こんなものを食べるのか!』という驚きが大事」と話す。

そのこだわりから、メニュー開発には必ず各国の出身者の協力を仰ぐ。

9月上旬、10月から提供するエジプトの朝食の試食会に招かれたのは、

日本でアラビア語やエジプト料理を10年以上教えるエジプト人のナニ・エマムさん。

空豆のコロッケ「ターメイヤ」などエジプト伝統の朝食を試食するナニ・エマムさん!

「もう少しニンニクを入れた方がいいわね」。

スタッフはエマムさんの助言を熱心に聞き入る。

朝食は「素朴ながら、その国の食文化が凝縮している」と木村さんは強調する。

例えば、エジプトの朝食は肉が少なくたっぷりの豆からタンパク質を補強する。

「体に良いものを食べて、働くエネルギーをもらうの」とエマムさん。

一方、英国の朝食はベーコンやソーセージなど肉類が豊富だ。

産業革命の後、労働者階級が高カロリーなメニューを求めたのが起源だという。

翻って、日本の朝食文化とはどのようなものだろう。

朝昼晩と1日3食摂る習慣が出来たのは江戸時代の中期以降とされる。

当時の江戸では、燃料を節約するため基本的に朝しかご飯を炊かなかった。

「特に庶民は夜早く休むので、必然的に夜より朝の食事に重きが置かれた」

と東京家政学院大学名誉教授の江原絢子さんは指摘する。

明治・大正時代には欧米の食文化が輸入され、都市部では朝食にパンを食べる人も出てきた。

1980年代ごろからは朝食の多様化が加速し、そばやカレー、牛丼、ラーメンまで、

望めば多彩な食事が朝から楽しめる独自の食文化が築かれた。

「現在の日本の朝食は選択肢がとても多い。

いろいろなものを組み合わせのは日本の食事の特徴で、朝食も同じだ」と江原さんは言う。

選択肢の多い日本で理想の朝食を問われたら、あなたはどう答えるだろうか。

食通で知られた作家、池波正太郎が定宿にしていた神田駿河台の

「山の上ホテル」には、池波が「朝食の夢」と読んだわ朝食が今もメニューに残る。

今も「山上ホテル」に残る池波正太郎が愛した和定食!池波はカウンター右端のこの席に好んで座っていた!

80年代に考案されたもので、丹念にしつらえた十数種のおかずに箸が進む。

調理場を仕切る矢島秀昭料理長いわく「小品種多品目。

奇をてらわない日本の朝食をお腹いっぱい食べてもらう」という信条が代々受け継がれてきた。

池波は「家庭ならば、このうち一品がせいぜいなのを=中略 骨身を惜しまずあんばいをして、

朝食の夢を見せてくれたのである」=「池波正太郎の銀座日記(全)」と書き残した。

多種多様のおかずは江戸時代に確立したハレ=祝い の日に戴く本膳料理がルーツとされ、今でも日本人の心をときめかせる。

それは池波も同じだった。わざわざ「夢」という言葉を使ったのには、日本の家庭では

充実した朝食を取るのが難しくなっていた時代背景も関係しそうだ。

「近頃、朝食は10秒で食べられる。」という

キャッチコピーで、大塚製薬の「カリロリーメイト」が発売されたのも同じ80年代だ。

当時働き者の日本人が効率よく朝食を取ることを是としていたのがよくわかる。

同商品の開発は、朝食の欠食を問題視していた当時の経営幹部の発案で始まった。

平成以降は共働きや一人暮らしが増え、充実した朝食はますます夢物語と化していった。

だが今回のコロナ渦は変化のきっかけになる可能性がある。

「こんな時代だからこそ、朝から楽しく栄養のあるものを食べてもらいたい」。

約2年前に開業した鎌倉の朝食専門店「YUKA GOHAN=ゆかごはん」。

ほぼコロナ下での営業を余儀なくされてきたが、店主の

大島由香さんが作る「家庭の朝ごはん」を愛するファンは着実に増えてきた。

「これ、どうやって作るの?」。

そう顧客に聞かれれば丁寧に作り方を教える。

家での食事もきっと豊かになるからだ。

人々が求める朝食は生活スタイルやその日の予定などによっても異なる。

江原さんは「たくさんの選択肢から、

自分の生活に合った朝食を選んで楽しんでほしい」と話す。

外食でも家庭の食事でも、手の込んだ料理でも、スープだけでもいい。

そんなふうに色々と選択できる自由こそ、日本の朝食の贅沢かもしれない。  

平野麻里子  三村幸作撮影。 日経新聞。

Pocket

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

私はかなり高齢な建築家です。出身は伊豆の湯ヶ島で多くの自然に触れて育ちました。少年時代の思い出も記事になっています。趣味が多くカテゴリーは多義に渡ります。今は鮎の友釣りにハマっています。自然が好きで自然の中に居るのが、見るのが好きです。ですので樹木は特に好きで、樹木の話が多く出てきます。 電子書籍作りも勉強して、何とか発売できるまでになりました。残り少ない人生をどう生きるかが、大事です。