国産小麦のパン 多様な味わい根付く!「ミナミノカオリ=熊本」に「ゆきちから=岩手」と小麦の品種と産地名です!

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リオネットのパン!川越市!


国産小麦のパン 多様な味わい根付く!「ミナミノカオリ=熊本」に「ゆきちから=岩手」と小麦の品種と産地名です!

 

「チェスト舟堀」東京・江戸川 は看板もない小さな店だが、

焼けるパンのにおいはガラス戸のわずかな隙間からでも強くあふれ出す。

開店前からひっきりなしにお客さんが訪れる。

店内のパンを見ると、値札に書かれた商品名は

「ミナミノカオリ=熊本」に

「ミナミノカオリ=熊本」!

「ゆきちから=岩手」と、

「ゆきちから=岩手」!

小麦の品種と産地名だ。

小麦は種類によって吸水性やふくらみの良さなどが異なり、

それぞれの長所を生かしてブレンドされたものを使うのが

一般的だが、ここでは一つのパンには一種類の小麦の粉だけを使う。

バケットなど定番のパンは毎日4種類ほどがあり、

小麦の品種や産地によって作り分ける。

ミナミノカオリは香ばしさが華やかに口に広がり

ゆきちからはすっきりと上品な風味だ。

「小麦の種類が違っても、同じバケットなら水分量の微妙な調整以外、

製法は同じです」と店主の西野文也さんは言うが、味わいはまるで異なる。

「今日はどんな小麦のパンがあるの?」。

店を訪れるお客さん達も、その違いにすっかりなじんだ様子だ。

国産小麦のパンは、かつて長距離輸送のために

海外小麦に施す薬品処理への懸念など、安全の観点から好まれることが多かった。

ここ10年ほどで品種改良が進み、パンに向くとされる

タンパク質の多い小麦の作付けが大きく増えた。

味の面からも国産小麦パンの評価が上がると同時に

「それまではブレンドされて売っている粉が多かったのが

品種が多様化するにつれ単一品種の

小麦粉も増えてきました」と西野さんは説明する。

他の小麦粉と混ぜても美味しい

パンが焼ける粉も多いいと感じた西野さんは、

2年前に独立するときに今のスタイルを始めた。

「小麦それぞれのパンの個性を活かすなら、

ワインのようにも楽しめると思ったんです」

使う小麦は北海道産から九州産まで11種類に及ぶ。

品種改良された新しいものだけではない。

例えば東京産の小麦「柳久保」は江戸時代から、主にうどん向けに栽培されたと言う。

バケットにすると、カリッとした食感と

バケットにすると、カリッとした食感!

あいまってまるでしょうゆせんべいのような味わいだ。

「柳久保は大豆のような香りがあるのでしょうゆを感じさせるのだと思います」西野さん

一般にうどん向けの小麦粉などは、パンにするには

タンパク質が少なく上手にふくらまないとされてきた。

「たしかにふかふかのぱんにはなりませんが、

水分を少なめに調整しながら作ることができます」と西野さん。

むぎゅっとした食感などパンに向けられた小麦では出せない魅力もあるという。

国産小麦の中でも産地や品種にまでこだわる機運の高まりを象徴するのが、

2018年に都内で始まったイベント「麦フェス」だ。

2018年に都内で始まったイベント「麦フェス」だ!

その年にとれた小麦でできた小麦粉が出回る秋に毎年、

各地の人気パン店、生産者、数百人のパン好きが一堂に会する。

昨年と今年はオンライン開催となったが、小麦の生産地や品種ごとに

有名店がパン作り講習会を配信し、それらを使った

パンを全国約20のパン店などが販売した。

イベントを立ち上げたのは、全国のパンを食べ歩き、

パンの著書も多いライラーの池田浩明さんだ。

「畑に行って生産者らと関わるうち、工業製品のように見られがちな

小麦粉が自然の恵みであることをもっと伝えたいと思いました」と池田さんは経緯を話す。

最近では「この生産者さんの小麦なら美味しいよ」と、詳しいお客さんも増えてきた。

多様な小麦への注目の高まりの背景には、ここ10年ほど

「多店舗展開をめざすより小さな店で個性を表現したパン職人が増えてきたこともある」

と池田さんは説明する。

埼玉県川越市にある「ブーランジェリュネット」は、

バケットからメロンパンまで50種類ほどのパンのほぼ全てに地元、

埼玉産の小麦「はなまんてん100田舎パン」を口にすると、

ハナマンテを使ったパン作り!

香ばしい香りが優しく上品なのに力強い。

「北海道のような甘みはないが、料理やワインと合わせれば

主張しすぎずに受け止める力がある」と店主の若松大輔さんは魅力を語る。

「近所で栽培し始めたんですよ」と市役所の担当者に

ハナマンテンを薦められたのは10年ほど前だが、店の中心に据えたのはここ3年だ。

当初は淡白で味気ないパンしか焼けず、

北海道の小麦粉に少量混ぜるぐらいしかできなかった。

「どうも、デンプンから甘みが出るまでに時間がかかるようなんです」若松さん。

地元の製粉会社と二人三脚で研究を重ね、生地にする前に

粉と水を合わせて一晩寝かせる製法にたどりついた。

「ハナマンテンに『おいしいパンのできる小麦』と

付加価値をつけたかったんです」と話す若松さんは生まれも育ちも埼玉だ。

「そうすれば地元の生産者も育てがいがあるし、

近所で良いものがとれると思えば買う方もうれしい。

良い循環ができると思いました」。

ハナマンテンの畑が台風被害にあったときは、

小麦粉として使う近隣のパン店が連携して店頭で募金も呼びかけた。

産地や品種へのこだわりを経て、パンはまた一段深く、

日本に根を下ろし始めているようだ。  

高倉万紀子  中岡詩保子撮影。 日経新聞。

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私はかなり高齢な建築家です。出身は伊豆の湯ヶ島で多くの自然に触れて育ちました。少年時代の思い出も記事になっています。趣味が多くカテゴリーは多義に渡ります。今は鮎の友釣りにハマっています。自然が好きで自然の中に居るのが、見るのが好きです。ですので樹木は特に好きで、樹木の話が多く出てきます。 電子書籍作りも勉強して、何とか発売できるまでになりました。残り少ない人生をどう生きるかが、大事です。