1位「厳島神社」!
光に映える 美しき夜の寺社!照明や灯籠で夜も存在感を放つ神社やお寺が全国に!闇に浮かぶ伝統的な建造物は昼とは別の顔を!
照明や灯籠で夜も存在感を放つ神社やお寺が全国にある。
闇に浮かび上がる伝統的な建造物は昼とは別の顔を見せる。
写真で切り取りたい光に映える夜の寺社を専門家が選んだ。

現在大規模な修理中で本殿の一部と大鳥居=写真右=はシートに覆われている!
1位・860ポイント!厳島神社(広島県廿日市市)!水面の揺らぎ 幻想の世界!
国宝で世界遺産。日本三景・宮島のシンボルでもある。
満潮時の夜には海上に浮かぶように見え、「海と光のハーモニーが別次元の幻想的な世界を広げる」(中村伸樹さん)。
月夜には「月光に照らされた海面の波紋に本殿が映る。
自然の光の揺らぎがこれほどまでに美しい神社は他にない」(丸々もとおさん)。
11月初旬。観光客も戻り、修学旅行生らが放し飼いにされている鹿と戯れていた。
「黄昏が迫り潮が満ちる時刻になると参道のいしどうろうがともり輪郭を際立たす
朱の本殿との対比が平安の世へと誘う」(石橋睦美さん)。
ライトアップは毎日行われ、五重塔や多宝塔も照らす。
「昼の綺麗な姿から夜は荘厳な趣に姿を変える」(小塩稲有之さん)。
現在大規模な修理中で本殿の一部と大鳥居=写真右=はシートに覆われている。
大鳥居はあえてライトアップし、今だけの景観を楽しめる。
「海上に浮かぶ神殿のように見えて神秘的」(宮澤やすみさん)だ。
「水面に光が映り込み美しさを倍増させている」(中村勇太さん)。
神職の藤井幹也さんは「早朝と夜は神の島の雰囲気をより感じていただける」と話す。
① 情報サイトURL https://www.itukusimajinja.jp/index.html
② 写真 鈴木健

東京都で最も古い寺で浅草の象徴である浅草寺!
2位・500ポイント!浅草寺(東京都台東区)!昼間と違う 静謐な空間!
東京都で最も古い寺で浅草の象徴である浅草寺。
観光客や参拝客でにぎわう参道も、仲見世が閉じた夜は「昼間とは違う顔を見せる。
派手な演出がない分、境内の静謐な空間に包まれるような感覚が心地よい」(宮澤さん)。
「雷門、宝蔵門、本堂、五重塔などあらゆる建築美が闇夜に浮かび、視点の幅広さが面白い」(丸々さん)。
光に映える朱色の建物は「艶やかな印象を与える」(丸太あつしさん)。
さらに「境内から望める五重塔と東京スカイツリーのライトアップの共演は必見」(中村勇太さん)。
「五重塔がスカイツリーと左右に並ぶ構図が良い」(大島淳さん)。
都心ならではの景観が評価された。「ツリーに負けない五重塔の美しさが圧巻」(中村伸樹さん)
② 鈴木健

「照らされた五重塔と周囲の色彩が猿沢池に映り込む様が美しい」!
3位・470ポイント!興福寺(奈良市)!池に映る塔 歴史の奥深さ!
約600年前に再建された高さ50.1mの五重塔は東寺(京都府)の五重塔に注いで高く、現在も奈良県で最も高い建物。
「ほんのり光に照らされた塔を目の前にすると中世にタイムトリップしたよう」(中村伸樹さん)。
光を照らすことで「立体感のある建築様式の魅力が際立つ」(小塩さん)。
興福寺は東大寺や薬師寺などとともに世界遺産に登録された。
近くの猿沢池から五重塔を眺めると、「木々の枝葉に遮られて全貌を望めないが、平城京の奥深い歴史を感じさせる」(石橋さん)。
「照らされた五重塔と周囲の色彩が猿沢池に映り込む様が美しい」(丸太さん)。
境内は24時間開放されている。
「隣接するホテルに泊まりぜいたくな時間を過ごしたい」(鵜飼秀徳さん)。
① https://www.koufukuji.com
② 鈴木健

日本百名月の池で、縁結びの神社として人気が高い「朱塗りの社殿がみやびやかに夜に浮かぶ」!
4位・足利織姫神社(栃木県足利市)! 縁結びの社 非日常感!
日本百名月の池で、縁結びの神社として人気が高い。
「朱塗りの社殿がみやびやかに夜に浮かぶ」(丸々さん)。
周囲の自然は暗く沈む。
「照らし出される荘厳な社殿が非日常感を生む」(宮澤さん)
神社のある織姫山は「織姫公園として夜間照明が整備され、
どちらも楽しめるのがよい」(小塩さん)。
神社から足利市内が見渡せる定番の夜景の名所で、
「夜のデートスポットしておすすめ」(中村勇太さん)。
① tttps://www.orihimejinjya.com/
② 足利織姫神社

日本三景で「月の名所でもある松島を背景にただずむ風情ある姿」!
5位・380ポイント 瑞巌寺・五大堂(宮城県松島町)!松島を背景に風情ある姿!
日本三景で「月の名所でもある松島を背景にただずむ風情ある姿」
(丸々さん)が海の上に望める。
「漆黒の海辺に浮かぶ御堂は宗教史跡の歴史を感じる」(石橋さん)。
建物は小さいが、「囲まれ木々から光に照らされた姿はミステリアス」
(丸太さん) な印象を与える。
1位に選んだ専門家もいた。
遠望も美しいが、「朱塗りの透かし橋を渡ってお参りするのもいい」
(富本一幸さん)。
照明により「厳かな雰囲気に幻想的な容姿が加わり、非日常的な光景に引き込まれる」
(中村勇太さん)
① https://www.zuiganji.or.jp
② 松島観光協会

高台寺(京都市)!庭園名高く 夜に茶会!
6位・370ポイント!高台寺(京都市)!庭園名高く 夜に茶会!
豊臣秀吉の妻、ねねが夫を弔うために建立した。「ライトアップ寺院の先駆けの存在」(鵜飼さん) として知られる。
通常の夜は閉鎖されるが、春、夏、秋にはライトアップられた夜間特別拝観がある。
「新たな取り組みで毎回違う夜間拝観が楽しめる」(大島さん)。
庭園が名高く、「竹林や紅葉が美しく照らされた光景は心が洗われる」(中村伸樹さん)。
秋の夜間特別拝観は12月12日まで。
2022年1月14=3月6日の金曜日は有料の夜の茶会(要予約)もあり
「雰囲気のある境内の散策を楽しめる」(富本さん)。
① https://www.kodaiji.com/
② 高台寺

東大寺(奈良市)!迫力の大仏殿 二月堂の姿!
7位・320ポイント!東大寺(奈良市)!迫力の大仏殿 二月堂の姿!
広大な敷地にただずむ国宝の大仏殿は通常の夜は闇に沈むが、
「闇魔に立ちはだかるよう浮かび上がる大仏殿は昼にも増して迫力がある」(鵜飼さん)。
月明かりの夜は巨大なシルエットで望め、「闇夜に浮かぶ姿は圧巻」(丸太さん) で、
「奈良随一のな夜景スポットといえるだろう」(小塩さん)。
大仏殿の東側の丘にある国宝の二月堂=写真=は夜通し照明がともり参拝できる。
早春の風物詩の「お水取りが有名だが、普段の夜は木造寺院の落ち着いたただずまい。
回廊から大仏殿の奥に広がる古都の夜景が望める」(石橋さん)
① https://www.todaiji.or.jp/
② 大久保潤

その景観は古都にふさわしく、時空を超える不思議な世界が現前する「薬師寺」!
8位・310ポイント!薬師寺(奈良市)!時空を超える古都の風景!
600mほど離れた大池から見ると国宝の東塔、再建された西塔、金堂が照らし出される姿が望める。
「その景観は古都にふさわしく、時空を超える不思議な世界が現前する」(中村伸樹さん)。
日没後、大池にカメラを構える人も現れる。
「夜は周囲の家並みが漆黒に飲み込まれるため、いにしえの寺院の趣きを濃くする」(石橋さん)。
奈良市内から少し離れているため、「周囲に高い建物がないことで荘厳さが際立つ」(富本さん)。
「ライトアップによって薬師寺東塔が『凍れる音楽』と
評されたことが身にしみて感じられる」(大島さん) との声も。
① https://yakushiji.or.jp/
② 松浦弘昌

弥彦山の山麓にあり万葉集にもうたわれる神社「弥彦神社」!
9位・300ポイント!弥彦神社(新潟県弥彦村)!周囲に巨木 雄大な自然!
弥彦山の山麓にあり万葉集にもうたわれる神社。
1位にあげた専門家もいた。
「越後随一のパワースポットが漆黒の山々をバックに浮かび上がる様は壮観」(富本さん)、
「シンプルな照明が幻想的な雰囲気を際立たせ、背景の
弥彦山も含めた雄大な景観が素晴らしい」(宮澤さん)。
神体山である弥彦山も含めた夜景が評価された。
周囲を巨木に覆われ、
「夕闇に包まれる頃になるとわずかな灯篭の明かりが効果を発揮し、
黒く沈む神殿に重厚さを与える」(石橋さん)。
これからの期待、「雪が舞う様はより幻想的」(鵜飼さん)。
① https://www.yahiko_jinjya.or.jp/
② 弥彦観光協会

築地本願寺(東京都中央区)!本堂が醸し出す異国ムード!
10位・250ポイント!築地本願寺(東京都中央区)!本堂が醸し出す異国ムード!
インドなどアジアの古代仏教建築を模した本堂は建築家の伊藤忠太博士の設計による。
とりわけ「オリエンタルなムードが漂う夜の外観は唯一無二の美がある」(丸々さん)、
「中央ドームがろうそくのようにひときわ輝く様が美しい」
(大島さん) と夜景の評価が高い。
他の神社と趣が違う珍しい石造りの本堂は「荘厳な雰囲気を醸し出す」(小塩さん)。
日が沈み「光に照らされると時空を超えた感覚に導いてくれる」(中村伸樹さん)。
銀座の中心地から少し離れた立地で「実はライトアップの穴場だ」(鵜飼さん)。
① https://tukijihonguwanji.jp/
② 築地本願寺

地域活性に一役!演出は庭園にも!
地域活性に一役!演出は庭園にも!
光に照らされた伝統建築は構造美が際立ち、昼間とは別の表情を見せる。
時を超えて冬の夜に存在感を増す寺社は地域活性化にも一役買っている。
今回は特別なイルミネーションや紅葉期のライトアップは評価の対象から除き、
通常の夜に見ることができる光の景観を評価した。
ベスト10には、国宝や世界遺産を含む歴史的にも貴重な建物が並んだ。
特に厳島神社は唯一専門家が10人全員が選び、2位とは大きく差が付いた。
「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されている
興福寺、
東大寺、
薬師寺を評価する声も多く、それぞれ上位に入った。
光の演出は神社やお寺の建造物だけではなく、日本庭園などにも広がる。
例えば、御船山楽園(佐賀県)や由志園(島根県)のほか、
小倉城庭園(福岡県) も2022年4月の本格稼働する。
夜景評論家の丸々もとおさんは「いずれも照明器具を常設するスタイルで、
夜間の集客への期待から年間を通じてライトアップする
伝統的な建物や庭園が増えてきた」と指摘する。

ランキングの見方!調査の方法!
ランキングの見方
神社名(所在地)
。数字は選者の評価を点数化。
① 情報サイトURL
② 写真提供元。または撮影者名。
調査の方法
年間1ヶ月以上のライトアップを行っている全国のお寺・神社から専門家協力を得て19箇所をリストアップ。
光に映える歴史的な建造物としての美しさ、周囲の自然環境を含めた光の
演出効果の観点から10人の専門家がそれぞれ1~10位を選定し、
編集部で集計した。
(大久保潤が担当しました)
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