
西本願寺「唐門」の彫刻の修復!
伝統建築の基盤をなす木の文化!ユネスコの無形文化遺産!
伝統建築の基盤をなす木の文化!修理は価値を損ねる改変ではなく、使うための知恵の具体化!伝統建築でユネスコの無形文化遺産!
約半世紀ぶりの修理が終わった
京都市・東山区の清水寺本堂=国宝 は檜皮葺の屋根が美しい。
現在の本堂は江戸時代、
寛永年間に焼失し、徳川家光の命で再建されたものだ。
昭和の修理で厚さ7cmに葺いた
檜皮を今回は江戸期の文書にあった96cmに厚くした。
檜皮は樹齢100年近い檜の立木から剥いで採取した外樹皮である。
用途別に整形し、企画品のような皮を作る。
葺替えの際は、竹釘を使って皮を留めながら等間隔にずらして重ねてゆく。
採取と葺き替えは別の専門技術で、それぞれに経験を積んだ職人がいる。
檜川採取や檜川葺、彩色や漆塗など木造建築に関係する17の
技術が「伝統建築工匠の技」として
ユネスコの無形文化遺産に登録された。

技術が「伝統建築工匠の技」としてユネスコの無形文化遺産に登録された!
日本には清水寺など世界文化遺産になった木造建築が数多くある。
伝統の木工技術はこれらの遺産を後世に残していくには欠かせない。
今回は、この技も世界的に高い価値を持つと評価された格好だ。
日本の多くの木造建造物は焼失して建て直されたり、
解体を伴う大規模な修理を経たりしてきている。
形や大きさが少し変わったりして、
傷んだ材が新たな材に取り替えられたりして来た。
このため世界文化遺産への登録ではかつて、文化財としての
オーセンティシティー=真正性、本物性
が失われているのではないかという疑義が出されていた。
歴史的建造物がほぼ石造である欧州の専門家の指摘だった。
これに対してオーセンティシティーは
各文化の中での伝統なども加味して判断されるべきだという
考え方が1904年に奈良市で開かれた
世界文化遺産の会議で打ち出された。
木造建築は年月を経る中で傷み、修理されるのが普通だ。
最初のものにしか価値を認めない考え方は
木の文化を土台にした日本の建造物の評価にはなじまない。
奈良会議で基準が見直された後、日本に
神社建築が多く世界遺産に登録されるようになった。
文化の多様性を認めた奈良会議の合意文書は
文化遺産の概念を無形文化財にも広げる契機にもなったと言われている。
今回登録が決まった伝統建築技術の評価は、
27年前の会議がもたらした変化の延長線上に生まれて来たと言えるかも知れない。
「日本の伝統技術は修理をしながら使い続けることを前提に作られている。
2つの木台をつなげる接ぎ手、仕口は、複雑な形状であっても外せる。
後世の修理を想定しているからだ」。
伝統建築に詳しく、文化庁の作業部会のメンバーとして
伝統建築工匠の技の無形文化遺産提案に関わった矢ヶ崎善太郎大阪電気通信大教授は語る。
技は修理の現場で磨かれ、修理する時代の新しい技術が取り入れられ、工夫が積み重ねられてきた。
日本の伝統的な木造建築物にとって、修理は価値を損ねる
改変ではなく、使い続け、後世に伝えてゆくための知恵の具体化なのだ。
解体修理では傷んだ材だけを取り替え、使える材は残す。
茶室のように手を加えることが由緒の累積とみなされて逆に価値を高める建築もある。
現在修復工事が進む京都市下京区の西本願寺唐門=国宝
には唐獅子や孔雀、鳳凰、麒麟などの彫刻が飾られ、華麗な桃山文化を今に伝える。
修復では剥落した彫刻の表面を塗り直しているが、
この「建造物色彩」もユネスコの無形文化遺産になった技だ。
今回鶴の彫刻は劣化が激しいため、
最新機器で3次元計測した上で新たに模刻した彫刻を取り付けることにした。
後世の修理を妨げるような事はしないが、
滅したり危険が増したりする恐れがあるものは放置しない。
「手を加えすぎないように努めながら、
最新の技術や製品で使えるものは使っている」京都府文化財保護課。
清水寺も含め、近年の伝統的な木造建築の修理では、
耐震のために金属で補強するのも当たり前になっている。

清水寺も含め、近年の伝統的な木造建築の修理では、耐震のために金属で補強するのも当たり前になっている!
修理の際、昔の職人の見事な仕事に驚いた経験を持つ人は多いという。
それが時を超えた後世のへの伝言だとすると、
それを聞き取る力、木の文化の感性を育てなければならない。
「国や自治体が文化財に指定していない建物の修理で、伝統的な建築が減っている」。
桧皮葺など屋根の技術を伝承している
全国の屋根等屋根工事技術保存会の大野浩二会長は心配する。
裾野が細れば頂は低くなってしまう。
世界に誇る技術を守るためにも、木に親しみ、木を知る人を増やしていきたい。
日経新聞 堀田省吾 玉井良幸撮影。
ではこれに関する事項を検証してみます。

架構は木材を組んでつくる!日本の文化に根差す!
1. 主に日本の山で育った木を無垢のまま使う。 2. 架構は木材を組んでつくる。 3. 地元で手に入る木、土、草といった天然素材を用い職人がつくる。 4. 日本の文化に根差す!
[ 伝統木構造って何?]
「宮大工の建てるお寺やお宮のことですか?」
文化財の社寺は立派な伝統木構造ですが住宅や
店舗でも伝統木構造でつくられるものはたくさんあります。
「和風の建築のことですか?」
和風の建築が必ずしも伝統木構造ではありません。
伝統木構造は次の4点が守られている木造技術です。
1. 主に日本の山で育った木を無垢のまま使う。
2. 架構は木材を組んでつくる。
3. 地元で手に入る木、土、草といった天然素材を用い職人がつくる。
4. 日本の文化に根差す。
伝統木構造の良さは何ですか?
台風や地震に強い木造です。
維持管理がしやすく100年以上の耐久性があります。
地産地消でごみをほとんど出しません。
化学物質を含まないので健康被害が出ません。
「日本の風土に合った快適さがあります。」
伝統木構造が広まっていないのはなぜですか?
大量生産、大量消費、工業化という現代の流通経済に乗らないからです。
伝統木構造を支える大工、職人、製材業者は大きな
組織と資本力がなく、技術開発や生産システムの刷新ができません。
日本の伝統的木造技術に対しての工学的研究が
著しく遅れているため、法的な基準が整備されていないからです。
「私たちは伝統木構造を失ってはいけない!」
私たちは伝統木構造を失ってはいけない!
伝統木構造は過去のものではありません。
伝統木構造は今でも世界に冠たる木造技術ですが、現代の知見を加えればさらに
発展させることができ伝統的な建造物を
つくるだけでなく、新たな木造建築をつくる技術になるのです。
また、伝統木構造の中には私たちが近代化の中
で忘れてしまった日本の木を生かす技術が残っています。
そこには私たちが日本の風土の中で楽しく生きていくための知恵が詰まっています。
それは工業化グローバル化の中で失われつつある価値です。
しかし、グローバル社会がもつ危険、世界経済の破綻、
エネルギー問題、自然災害による孤立に対して、
私たちの社会や日本という国が生き残るためには決して失ってはいけない価値なのです。
現在、伝統木造構造でつくられる住宅は
全国につくられる木造住宅の1%にも満たない状況です。
伝統木構造はもはや風前の灯と言わざるを得ません。
日本人が数千年にわたり培ってきた高度な木造技術を
もはや無形文化財としてしか保存できないのでしょうか?
あまりにもったいないことです。
これを救うために多くの方々の協力が必要です。
「お願い」
こうした伝統木構造価値を多くの人に伝えて下さい。
伝統木構造の家に住んでいる人はもう一度家の価値を見直し、
建て替えずに伝統木構造でリフォームして使う努力をしてください。
これから家を建てようとする人は、伝統木構造でつくることを検討してみてください。
ハウスメーカーや建設会社と張り合うつもりはありません。
全体の1%でもよいので伝統木構造の家が
作られると伝統木構造が生き残ることができます。
それに伴って故郷の森林、職人、伝統的材料メーカーが残ることができます。
それが伝統木構造を未来につなぐことになります。
伝統の木造の会 より。

日本の木の文化の継承のためには、日本の森を守り、大きな木を林業を残す!
日本の木の建築文化継承のために!日本の木の文化の継承のためには、日本の森を守り、大きな木を林業を残す!!
[日本の木の建築文化継承のために]
<主旨>
日本は木の文化の国です。日本人の生活・宗教文化を育んできた、
伝統建築の持つ木の文化をそのままの姿で後世に継承していく事。
それは現在の西欧の価値観優先の社会の中にあっても忘れてはならないのではないでしょうか。
日本人の精神文化を形成してきた根幹のひとつを忘れてはならないのです。
今、この忘れ去られようとしている、日本人の木の文化の伝統の継承は、
今に生き、その重要性に気づいた者の責務だと私どもは思量致します。
グローバリゼーションと云われる現今、
伝統建築文化継承実現のための障壁を取り払い、より自然な形で
継承していく事に英知を尽くし、
再興させる事が今の日本人にとり、なにより大切な事なのではないでしょうか。
その遂行のためには、木の建築文化にとどまらず、
今の西欧優先の生活文化や生活様式を再考して、
今一度アジア極東の原点を振り返り、
日本生活文化の価値を再評価し、生活様式も含めて改めて
人々に訴え、再興を図るべき時代になりつつあるのではと考えます。
日本伝統文化の独自性を保ちつつ現代に相応しく継承していくことこそ、
日本のみならずグローバリゼーションの世界に貢献するものです。
日本文化はより世界を多様にすることにより、経済だけではなく真に得心のいく
豊かさを日本だけではなく世界の人々にもたらすことになるでしょう。
一.日本人が長い時間をかけて培ってきた、
日本の風土にあった、建築および生活文化の継承を行う。
一.日本の建築文化の継承に大切な要素は
建築技術だけではなく、木の文化を支える林業の文化、
稲作から来た畳の文化、厳しい気候条件から
建物の屋根を守る瓦や茅の文化、構造と一体となり、
外壁をとりなす木舞、土壁の文化等々、建築技術・文化を支える
様々な関連する業とその文化についても並行して継承できる環境を醸成する。
<活動内容前文>
伝統建築は、紀元600年頃の百済からの
工匠寺工伝来より、1,400年の歴史の継承がされてきました。
しかし、それらの技法、文化は現代の経済優先の
建築環境の中、もはや断絶が危ぶまれています。
我々は今その状況を改善すべく以下の内容を中心に活動致します。
多くの方々のご賛同を得ることを願っています。
<調査>
明治以降の、西洋のいす文化の導入から始まった、国際社会への船出は、その後、
西欧優先から優越へと至り、産業も大きく変貌し、
建築文化だけでなく文化全般も大きく変わりました。
そのため、日本固有の精神文化は既に基盤を失ってしまった状態といえます。
このままで滅びてしまわぬよう、祖先からの文化がどのようなものであったかを
調査・記録し、さらには継承することが必要だと我々は信じています。
<伝統文化継承>
そのために西欧化がここまで浸透した理由と共に、
日本の木の生活文化が衰退した原因を研究し、
その成果を踏まえ、改めて木の生活文化の良き点とこの
伝統を絶やさぬよう、その利点と大切さを広く訴え、広報致します。
さらには、現代において伝統建築が
快適さやコストも含めて対応できるよう研究し、
一つでも伝統構法の建築が増えるよう勉強会、見学会を行う活動を行います。

日本の伝統構法は、古来からの技法であるにもかかわらず、構造解析等の実験や研究が始まったばかり!
<伝統木造構造>
ところが伝統建築をいざ新築しようすると
現状では新建材による短期的機能優先の
皮相的な家造りや街づくりの視点の法律のため、建造困難な現実があります。
新建材による新築主体の建築基準法の
構造規定においては、伝統工法が視野にないため、
これら法規制によっても伝統建築は衰退を強いられているのが現状です。
今後は、逆に長い歴史の中で培われてきた職人の技の集大成でもある
伝統構法に基準を合わせた構造規定を作るべきであるではないでしょうか。
あるいは特殊建築物として、別の規定の適用が必要ではないかと考えています。
それら構造関係規定の改正実現のため、他組織との連携等を行うと考えています。
また伝統建築を建造可能とする法解釈の研究や、災害に強い
優れた木造建築ができるよう研究、技術開発を行う必要があるでしょう。
残念ながら日本の伝統構法は、古来からの技法であるにもかかわらず、
構造解析等の実験や研究は、まだ端についたばかりだからです。
「仕口」や「ほぞ」の解析もまだ実験値を蓄積させている段階に過ぎず、寺社建築においては、
材料が大口径でもあり、種々の様式がある故、まだ実験値すらおぼつかないのが現状であるため、
鉄骨造や鉄筋コンクリート造並みに木造の構造学が発展するようデータの提供に務めます。
<土造>
木造家屋と共にあり、火に弱い木造の耐火性を進化させたものとして江戸時代から発展した
蔵造りといわれる土蔵もまたその再現も修繕も困難になりつつあります。
これを『土造』と新たに定義し、よりよく建造できるよう研究を行います。
<左官>
土壁の木舞下地による左官技術も同様であり、1,400年の歴史を持っています。
また土蔵には欠かせない技能であり、土という素朴な素材を高度な造形にまで高めた世界的にも貴重な伝統技術といえるでしょう。
この技術の継承を図る研究会等を開催を致します。
<伝統屋根>
同じく1,400年の歴史を持つ本瓦の製造の技術、そして複雑な技法を要する瓦職人の
技術の伝承と産業の継承も日本伝統建築の継承のために、必要不可欠です。
甍の連なる街、山林に浮かび街道に並ぶ茅葺きや、茅葺き屋根は日本の美しい風土に欠かせないからです。
<組積造・様式建築>
一方で明治以来の新たな建築文化として組積造があります。
皮肉なことに日本の伝統建築文化を破壊した契機となった
煉瓦造建造物も既に日本の西欧化を物語る大切な伝統といえます。
日本の文化の多様性を語る上でこれも欠かせない建築文化として
擬洋風も含め欧米文化吸収過程の様式建築の伝統もなおざりにはできません。
成功した西洋化が我々の現在の経済基盤を作ったことも間違いないからです。
その西洋受容の建築文化の保存も日本固有の建築文化に欠くことができません。
<山林>
日本には古来より木が豊かに有り、木の建築文化を千年以上積み重ねてきました。
これも自然条件の有利さを生かしつつ山林豊かにと大切にしてきた日本建築文化の成果でした。
しかし現代には年月を経た木(樹齢300年~400年以上)が
山にないという現実に直面するに至ってしまいました。
山に年月を経た木がなくては、日本の木の建築文化は衰退してしまい継承も困難となります。
特にヒノキは、寺社では柱材として大切な木ですが、
名産地といわれる木曽地方にも吉野地方にも、年月を経た大径木はなくなってきました。
1,400年続いてきた日本の木の建築文化のためにも、今後の
数百年という単位で、日本の山林を大切にして、大径木を残していく方策が必要です。
現世代の金銭収入優先で、切られていくばかりしたが、日本の木の文化の継承のためには、
日本の森を守り、大きな木を林業の中で残していくための何らかの政策が必要である。
その実現のため他組織との連携等を行います。
(編:田代洋志) 伝統
建築文化推進協議会より。

木の文化は日本の宝です!
日本の伝統的木の文化を、使い続けてゆく知恵!木の文化は日本の宝です!!
今日のまとめ。
伝統建築の基盤をなす木の文化!
修理は価値を損ねる改変ではなく、
使い続けていくための知恵の具体か!
形や大きさが少し変わったりして、
傷んだ材が新たな材に取り替えられたりして来た。
「日本の伝統技術は修理をしながら
使い続けることを前提に作られている。
2つの木台をつなげる接ぎ手、仕口は、
複雑な形状であっても外せる。後世の修理を想定しているからだ」。
技は修理の現場で磨かれ、修理する時代の
新しい技術が取り入れられ、工夫が積み重ねられてきた。
日本の伝統的な木造建築物にとって、修理は価値を損ねる改変ではなく、
使い続け、後世に伝えてゆくための知恵の具体化なのだ。
技は修理の現場で磨かれ、修理する時代の
新しい技術が取り入れられ、工夫が積み重ねられてきた。

伝統的な木造建築物にとって、修理は価値を損ねる改変ではなく、使い続け、後世に伝えてゆく!
日本の伝統的な木造建築物にとって、修理は価値を損ねる改変ではなく、
使い続け、後世に伝えてゆくための知恵の具体化なのだ。
解体修理では傷んだ材だけを取り替え、使える材は残す。
茶室のように手を加えることが由緒の累積とみなされて
逆に価値を高める建築もある。
修理の際、昔の職人の見事な仕事に驚いた経験を持つ人は多いという。
それが時を超えた後世のへの伝言だとすると、
それを聞き取る力、木の文化の感性を育てなければならない。
「国や自治体が文化財に指定していない建物の修理で、伝統的な建築が減っている」。
私たちは日本の伝統的木の文化を、使い続けてゆく
知恵が必要だと語り続けられています。
木の文化は日本の宝です。
後世に伝え続ける義務が私たちに課せられた
課題だと受け止めなければなりません。
そのために必要な事は何かを真剣に考えていきましょう!!
コメントを残す