マグロ、香り高く柔らかく!一番シンプルな形で、たらふくマグロを食べてもらいたい!究極の玄海マグロ丼は贅沢に何種類も載る!

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マグロ、香り高く柔らかく!一番シンプルな形で、たらふくマグロを食べてもらいたい!究極の玄海マグロ丼は贅沢に何種類も載る!

マグロ、香り高く柔らかく!一番シンプルな形で、たらふくマグロを食べてもらいたい!究極の玄海マグロ丼は贅沢に何種類も載る!

 

東京築地に昨年秋、マグロ料理店「海玄=シーゲン」がオープンした。

海鮮丼が名物というカジュアルな店ながら、食通の間でも話題にのぼる。

多くの高級寿司店にマグロを卸す仲卸「やま幸=ゆき」の店からだ。

「一番シンプルな形で、たらふくマグロを食べてもらいたい」というやま幸代表、

山口幸隆さんの言葉通り、

一番シンプルな形で、たらふくマグロを食べてもらいたいという山口幸隆さん!

看板メニュー

「究極の玄海マグロ丼」には同社が競り落としたマグロが贅沢に何種類も載る。

使う部位はトロなど日によって異なるが、

一般的にはかき取ってネギトロなどに成ることが

多いいという筋の多い部位も、丁寧に筋を剥がして使う。

剥がした後は一見切り身のようだが、

口にすると真綿のようなふんわりした食感と共に優しい香りが口に広がる。

「手間をかければマグロはどこを食べても美味しいんです」(山口さん)

夜に出すマグロ尽のコースでは、火入れしたメニューも多い。

煮焼きしたマグロというとパサパサしたイメージもあるが「頭肉の柚子胡椒焼き」を食べると覆される。

トロのように滑らかな食感に、ほのなな柚子胡椒が利く。

聞けば「硬い筋も火を通すと牛すじのようなトロトロとした食感になる」(海幻の料理を統括する田辺正人さん)と、筋の多さを生かした格好だ。

筋の周りも脂が多いいので、なおさら柔らかく仕上がるという。

料理で一貫して重視するのはマグロ自体を引き立てることだ。

ねぎま鍋の出し汁は、鰹節ならぬマグロブシで撮った出しに最低限のしょうゆを入れる程度にとどめる。

「甘みはマグロから出てくる」(田辺さん)からだ。

店には「やま幸のマグロが気楽に食べられると聞いて」平日も客足が絶えない。

「仲卸ブランドになったことはかつてなかったはず」。

こう話すぴあ「東京最高のレストラン」大木淳夫編集長は

「とはいえここまでの存在感になったのはここ7~8年でしょう」と加える。

 

 

山口さんが好むのは「香りの強いマグロ」だ!「マグロの味は餌の味でしょう」!

山口さんが好むのは「香りの強いマグロ」だ!「マグロの味は餌の味でしょう」!

 

マグロというと冬の脂の乗ったトロが評価されがちだが、山口さんが好むのは「香りの強いマグロ」だ。

「マグロの味は餌の味でしょう」と山口さん。

日本近海の小魚をたくさん食べたマグロは多様な小魚の香りが詰まり、特に脂が薄くなる春先にはその香りが強く感じられるという。

「一番好きなのはスルメイカをたくさん食べたマグロ。

甘味が出るんですよ」。

柔らかさも重視する。

すしにしたとき、口の中でシャキッと一体感が出るからだ。

かつては「お前のところのマグロは柔らかすぎるって販売先によく怒られました」。

マグロが黒くなったと顧客から夜に呼びつけられることもある。

「香りが強いとアクも強いのか、黒くなりやすいんです」。

山口さんとマグロとの付き合い約40年に渡るが

「綺麗に切れる適度な固さ、変色しにくさなどが重視される時代が長かった。

『すきやばし次郎』への注目あたりから変わった気がします」。

すし職人の技、味わいへの関心は高まった。

お土産を出すすし展が減り、乾燥防止の砂糖をシャリに入れない店も増えた。

酢と塩のみのアタックの強いシャリに「香りのないマグロでは負ける、うちのマグロが求められるようになった」と山口さんは振り返る。

ぴあの大木さんはこれに加え、日本酒の充実や訪日客の増加で「おつまみの後で寿司を出す『おまかせ』のみの店が増えたことも大きい」と見る。

「インパクトの強い寿司が求められ、香りの強い酢を使う店が増えた。

これにも『山幸』の香りの強いマグロが合うと言われるようになったんです」

「香りの強いマグロ」と言っても、味わいや食感は1匹ずつ異なる。

やま幸は多いいときで1日100本のマグロを買い、山口さん自ら早朝から夕方までマグロを切り分け続ける。

包丁を入れながら「どの店の好みか、づっと考えているんです」。

切ったそばから卸先を次々にスタッフに指示する。

東京銀座の寿司店「佐たけ」の佐竹大さんは修行時代から20年間、やま幸のマグロを使う。

東京銀座の寿司店「佐たけ」の佐竹大さんは修行時代から20年間、やま幸のマグロを使う!

「仕入れるたびに電話で感想を聞き、定期的に店に食べに来てくれる。

客の好みを知る熱意が違う」と佐竹さん。

その上で新しい提案もしてくれるといい、最近は

「佐竹さんはお好きじゃないか」と、聞いたこともない産地のマグロが届いた。

「これが最高に美味しくて。

いろんなすし屋がマグロはもちろんその熱意に惚れ込んで

『うちはやま幸から買っている』とお客さんに話すから、

こんなに知られる存在になったんだと思いますよ」

山口さんは年間を通じほぼ毎日、マグロを食べる。

それでも飽きないのは食べる餌や脂ののり具合により

「季節ごとに違うおいしさがあるからです」。

今年もそろそろマグロの香りが強くなる季節だが、山口さん好みの

スルメイカの香りのマグロが

「今年は全然いなくて、イカが不漁とはいえこんなのは初めてです」。

美味しいマグロは料理人や仲卸といった人々の熱意と共に、

海の豊かさを丸ごと移したものであるだろう。   

高倉万紀子  三村幸作撮影。

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私はかなり高齢な建築家です。出身は伊豆の湯ヶ島で多くの自然に触れて育ちました。少年時代の思い出も記事になっています。趣味が多くカテゴリーは多義に渡ります。今は鮎の友釣りにハマっています。自然が好きで自然の中に居るのが、見るのが好きです。ですので樹木は特に好きで、樹木の話が多く出てきます。 電子書籍作りも勉強して、何とか発売できるまでになりました。残り少ない人生をどう生きるかが、大事です。