青荷温泉の混浴露天風呂。女性専用時間もある(青森県黒石市=深田高一撮影)
デジタル断つ ランプの宿!夜はこんなにも暗かったのか!俗世を離れ、静寂の中で過ごす効用だろうか!1泊で穏やかな心になる!
夜はこんなにも暗かったのか。
青森県・南八甲田の山峡にある
青荷温泉は強制的に脱デジタルできる宿。
俗世を離れ、静寂の中で過ごす効用だろうか。
1泊でも穏やかな心持ちになる。

目を指すようなLED(発光ダイオード)の光とは違って、灯油を使った本物の炎は柔らかいでしょう5ワットの豆級と同等の明るさ!
青荷温泉(青森県)!目を指すようなLED(発光ダイオード)の光とは違って、灯油を使った本物の炎は柔らかいでしょう5ワットの豆級と同等の明るさ!
カランカランと音を立て、ランプ係のおじさんが客室にランプを運ぶ。
「目を指すようなLED(発光ダイオード)の光とは違って、
灯油を使った本物の炎は柔らかいでしょう5ワットの豆級と同等の明るさです」
トランプ係の笹村文明(62)は言う。
満室なら140個のランプを点灯して配るのに2時間。
なかなか大変な作業だ。
創業は1929年(昭和40年)。
板留温泉の旅館が実家だった歌人、丹羽洋岳ついのすみかにと
掘建て小屋を建てたのが始まりという。
この宿は櫛ヶ峰、雷山=いかずら
に挟まれた窪地にあり、電波が届かない。
インターネットもスマートホンも通じない。
微弱な電気量のため客室、
風呂などランプの灯りだけが頼りだ。

風呂などランプの灯りだけが頼りだ!
午後3時30分過ぎに混浴露天風呂へ向かうと、他には誰もいなかった。
℃39度~40度のぬるめの湯に一人、つかる。
ほんのり温かい湯だから、のぼせることなく30分ほどつかっていた。
隣の「滝見の湯」はおそらく湯口で42度台。
シャッキリと全身を温めると、
浴衣姿でももう寒くはない。
客室の戻ると、雪明かりが明るかった。
揺らぐ炎を眺め、念入りにストレッチする。
瞑想の真似事もしてみた。
客室の電源コンセントがない宿だから、
「トイレは?」と不安になる人もいるだろうが、
そこは安心して欲しい。
客室にトイレや洗面所はないが、
各階に男女別のトイレがある。
ウオッシュレットで便座もきちんと温かい。


岩魚の塩焼き・アミタケの佃煮、イガメンチ、しし鍋を堪能!など山の宿らしい献立だが、皿の中身はおぼろげにしか見えない!
岩魚の塩焼き・アミタケの佃煮、イガメンチ、しし鍋を堪能!など山の宿らしい献立だが、皿の中身はおぼろげにしか見えない!
食事処もランプの灯りだけ。
山菜のお浸しや岩魚の塩焼き、
アミタケの佃煮、
イガメンチ、
しし鍋など山の宿らしい献立だが、
皿の中身はおぼろげにしか見えない。
夕食後もまた風呂へ。
一寸先の人影さえも見えない。

夕食後もまた風呂へ!一寸先の人影さえも見えない!
神戸から訪れた年配の女性は「戦時中みたいやなあ。
子供の頃はこんな感じやった」とポツリ。
こんな暗がりを経験できる宿は、
今の日本では珍しいだろう。
夜10時、早々に床についた。
明るすぎるかと思ったが、
目を閉じれば光を感じなくなり、
すぐに眠りに落ちた。
翌朝は「ホアイトアウトになるかも知れない。
早く山を降りた方がいい。」と促され、早々に山を降りた。
新雪の坂道を走る送迎バスは
雪国ワンダーランドのアクティビティのよう。
スリル満点だった。
道の駅虹の湖から車で10分の「津軽コケシ館」へ。
津軽系のコケシの工人、小島利夏さん(42) がこけしの製作をしていた。
女性の作り手らしいピンクの色の創作こけしを土産に持ち帰る。
津軽藩の家紋である牡丹が描かれるなど、
伝統こけしの特徴を受け継ぎながらも
自由な発想の創作こけしが人気である。
こけし好きな「こけ女」ではなくても買い集めたくなる。
(旅行作家 野添 ちかこ)

行き方は!温泉情報!今宵の宿!遊ぶなら!
行き方は!温泉情報!今宵の宿!遊ぶなら!
<行き方は>
江南鉄道黒石駅からバスで約40分の虹の湖公園下車、
または東北新幹線新青森駅から車で約40分、
道の駅虹の湖から無料送迎バスで約25ふん。(冬季はバスのみ)
<温泉情報>
単純温泉。
4箇所の風呂は全てかけ流し。
<今宵の宿>
青荷温泉(電0172・54・85888)は31室。

青荷温泉(電0172・54・85888)は31室!
1泊2食一人1万10150円。
湯治プランは2泊3日で1万4000円(料理少なめ、昼食付き)。
ドライヤーは使えない。
<遊ぶなら>
津軽コケシ館(電0172・54・8181)は
3000点のこけしやジャンボこけしを展示。

青森の秘境「ランプの宿 青荷温泉」に宿泊!「デジタルデトックス!電子機器・技術といったものですが、デトックスは直訳すると「解毒」!
青森の秘境「ランプの宿 青荷温泉」に宿泊!「デジタルデトックス!電子機器・技術といったものですが、デトックスは直訳すると「解毒」!
[【デジタルデトックス】青森の秘境「ランプの宿 青荷温泉」に宿泊してみた【日帰入浴も可】]
どうも、べーこんです!
あなたは「デジタルデトックス」という言葉をご存知でしょうか?
ここで言うデジタルは電子機器・技術といったものですが、デトックスは直訳すると「解毒」と言う意味。
日本デジタルデトックス協会という組織もあり、同協会における定義としては、
下記のような意味合いで位置付けられています。
ふと考えてみると、身の回りには常にデジタルデバイスが転がっていて、
物事を思い出せない時はすぐにスマホで検索できてしまう。
そんな世の中にいつの間にか私たちはどっぷりと浸かって、
日々流されるように生きています。
もはやスマホやPC無しで生きていくことなんて考えられないほど、
暮らしに浸透しているデジタルワールドですが、
私は近頃アナログに未練を感じてしまうのです。
例えば、職場で疎遠になりがちな人とコミュニケーションを取りたくて、
あえて人に尋ねた時にサクッと返されたのが次の言葉です。
「ネットで調べれば?」
そうなんだけど、今はそうじゃない!
でも、自分もそういう返し方を無意識にしてそうで怖い。
こんなやりとりを自然に感じてしまったら最後、それは人間同士の交流というよりも、
ロボット同士のそれの方が近くなってしまうのではないでしょうか。
AIの進歩でロボットがより人間らしくなっている現代だからこそ、そう思います。
そんなわだかまりを少しでも払拭できる経験を求めて行き着いた場所、
それが今回ご紹介する「ランプの宿 青荷温泉」です。
[電気は使えず、電波も届かない。]
今回1泊お世話になった宿は青森県の黒石市にございます。
「ランプの宿 青荷温泉」 https://www.aoninet.com/pc-index.html
はい、地図を見ていただければ一目瞭然。
周りには本当に何にもございません笑
私、青森県に来るのは初めてだったのですが、
この立地は早くも期待を超えてきました。
なんせ今の時期送迎バスを使わないと
たどり着けないような雪山の奥の奥にあるんですから。
ランプの宿へ誘うバスは「虹の湖」というなんとも幻想的な道の駅にやってきます。

ランプの宿へ誘うバスは「虹の湖」というなんとも幻想的な道の駅にやってきます!
「一体どんな美しい場所なんだろう!」
とワクワクしながら40分ほど早めに到着しました。
ええ、虹の湖は案の定凍結しておりました。
なんとなく予想はしておりましたが、道の駅やトイレまでも4月まで休業だったのは私の膀胱的に厳しかった。

青荷温泉名物。超絶雪山ドラテクに酔いしれる!!
このままではランプの宿にたどり着く前に私のカラータイマーが切れてしまうので、
釣り銭切れを起こしていた自販機を叩き起こして手に入れたコンポタは格別でした。
[青荷温泉名物。超絶雪山ドラテクに酔いしれる。]
宿泊者は意外と多く、最終バスが発車する15時の便も2台満席の状態。
そう言えば青森に来て一つ感じたのは日が異常に短いということ。
上記の写真をいくつか見ていただくと分かるかもしれませんが、15時くらいで太陽は完全に傾いています。
同じ日本でも東に行くほど日の入りは早いことを実感。
そんなこんなで出発です。
完全に雪道山道がカチンコチン。
ガードレールが雪に埋まっているようなところをおよそ
40キロ以上のスピードで駆け抜けていくんですから気が気じゃなかったです。
それでも要所できちんとギヤをローに入れたり、
スピード落としたりと丁寧な運転も披露。
さすがのドライビングでスリリングな道中を楽しめました。
こればっかりは写真だけでは表現できないですね。
この時期は自家用車ではまず来られないので、ありがたくお世話になりましょう。
[冠の「ランプ」はダテじゃない!]
無事宿に到着しました。
昼間はランプ感控えめですね。
薪ストーブがエントランスでお出迎えです。
続いて早速ランプがお目見えです。

続いて早速ランプがお目見えです!
屋内は思いの外暗め。
トトロを彷彿とさせる壁掛け時計。
ちょっとした売店もあります。
お酒もあるので、急に雪見酒したくなっても安心。
チェックインを済まして今回お世話になるお部屋へ向かいましょう。
部屋の中で光を放つのは
ランプとストーブと夕暮れ間近の雪の窓の灯りのみ。

ランプとストーブと夕暮れ間近の雪の窓の灯りのみ!
エアコンやテレビはもちろん、コンセントもありません。
日本三大鍾乳洞である龍泉洞の近く、
岩泉の道の駅や八食市場などで仕入れた名産の数々です!!
冷蔵庫もないので、夜の楽しみを仕込んでおきます。

日本三大鍾乳洞である龍泉洞の近く、岩泉の道の駅や八食市場などで仕入れた名産の数々です。
日本三大鍾乳洞である龍泉洞の近く、岩泉の道の駅や八食市場などで仕入れた名産の数々です。
少し時間が経ちました。暗くなってくるといい雰囲気。
ランプが一人頑張ってくれます。本を読むには若干暗いかもしれない。
いつの間にか日も落ちかけてきたので、食事の前にお風呂へ向かいます。
[極寒の雪山で極上の入浴体験。4つの青荷温泉を楽しむ。]
青荷温泉には4つのお風呂があります。
ランプの宿「青荷温泉」四つの湯 https://www.aoninet.com/furo/furo.html
健六の湯 (男女別)
本館内湯 (男女別)
滝見の湯 (男女別)
露天風呂 (混浴:レディース・タイム有り)
今回私が入れたのは①~③まで。混浴は色々な意味でタイミングを逸しました。
内側のイメージに関しては詳しくは公式サイトをどうぞ。私にはスケッチを描く才能がないので笑
兼六の湯は本館入口の正面にあります。
広々とした空間と大きな窓から見える雪景色は開放感抜群。一番のお気に入りでした。
内湯は青森名産ヒバの木で浴槽が組まれています。とてもいい香り。
滝見の湯は文字通り滝が見えます。暗くなる前に是非どうぞ。
※露天風呂も併設されていますが、冬は寒くて入れません。
泉質は無色透明無味無臭の単純温泉です!!

泉質は無色透明無味無臭の単純温泉です。
泉質は無色透明無味無臭の単純温泉です。
いずれの湯も雰囲気がとても良いので、お越しの際は是非制覇してください。
なお、最初に入ったのは滝見の湯。3つ連記していますが、時間や順序は不同です。
お風呂を満喫し、本館に戻ると夕食が用意されていました。
[お米が究極的に美味しい!身を寄せ合って頂く夕げ]
長机を囲んでいただく夕食です。
盛り沢山のおかずはもちろんのこと、
個人的にはご飯が感動的に美味しかったです。
モチモチとした食感とお米の香りが食欲をかき立てます。
鴨鍋や囲炉裏の焼き魚、青森名物のイガメンチなど、
どれも美味しくボリュームたっぷりな晩餐でした。
[ランプの宿の真骨頂。アナログで味わう深夜0時。]
夕食を終えて部屋に戻ると、いよいよランプやストーブの灯りが際立ってきます。
電気は一切使えず、建物も木造なのに、不思議なほどに部屋は暖かかったです。
…と言うより暑すぎて困るくらいでした笑
とはいえ、ストーブは一度消してしまうと再点灯できないので決断は慎重に。
普段は何気なく使っているLEDやテレビ、
さらに言えばここは温泉なのにドライヤーすらもありません。
電波の届かないこの場所にわざわざやってきた理由。
その真の答えはこの時間に解き明かしていくのです。

濁酒や青森の美味しいリンゴ「北斗」を頂きながらパートナーと語らいます!
濁酒や青森の美味しいリンゴ「北斗」を頂きながらパートナーと語らいます!!
この瞬間のために八食市場で仕入れた濁酒や青森の
美味しいリンゴ「北斗」を頂きながらパートナーと語らいます。
2019年の振り返り、お互いの仕事の話、旅に出かけたい国、
出会った日のこと、住みたい場所、将来の家族像などなど…。
デジタルやネットに散々邪魔されてきた四方山話に花が咲きます。
時には思い出せない事象にぶつかりますが、ここランプの宿はオフラインです。
自己解決しようとすると前頭葉に筋肉痛のような感覚。
なるほど…。ここが使っていない脳か。
21時前から始まった小宴は0時過ぎに閉幕。
やることがなくてあっという間に寝てしまう人が多いと事前に聞いていましたが、いつの間にか3時間も経っていました。
[デジタルデトックスとは心のクレンジング] 2日目の朝ごはんも自慢の白米が美味しい。
特に魚の甘露煮と梅干しの相性が抜群で、
これだけでご飯をおかわりしてしまいました。
素敵な朝食を済ませたら、惜しみつつもチェックアウトのお時間です。
そんなこんなで1泊2日のデジタルデトックス は幕を閉じました。
決して刺激的ではないけど、自分にとっては間違いなく衝撃的だった今回の旅。
デジタルデバイスを使わない努力はできるかもしれないけど
、電波や電気を断つのは今の世の中そう簡単ではありません。
当たり前を断つことで得られるアイデアや価値観もあると思います。
今回私は連続的なモダンライフを一度シャットダウンさせたことで、
「自分や人と向き合う」ことに集中できたと思います。
日々の暮らしや、自然、そしてパートナーに改めて感謝。
年の瀬にまた一つ大切な思い出が増えました。
最後の写真は朝を迎えたお疲れランプです。
一晩素敵な灯りをありがとうございました。
Bacon Notes より。
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